[MOM1120]京都橘DFハウザー・ケン(3年)_「伸び率は一番」期待の長身CBが攻守で躍動
ゲキサカ / 2014年9月8日 7時35分
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.7 高円宮杯プレミアリーグWEST第12節 京都橘高 0-0 広島ユース 西京極補助]
結果こそ引き分けながらも、残留に望みをつなぐ、貴重な勝ち点1を奪った京都橘高。原動力となったのがこれまで本領を発揮出来ずにいたCBハウザー・ケン(3年)の好守があったからだった。
父はアメリカ人で、母が日本人のハーフの彼はこの日、183cmという恵まれた上背を生かしたヘディングで広島ユースが繰り出す縦へのフィードを制圧。パスワークによる崩しも、「DFからFWまでの3ラインの距離をしっかり保って、バランスをとれる状態を意識していた。カバーはもう一人のCBの清水(遼大)に任せて、前に出る意識を持っていた」と上手く周囲と連係をとりながら、タイミング良く前に出てインターセプトを繰り返した。
活躍は守備だけに留まらない。「ゆっくり繋いでいても仕方ないので、出来るだけ前に展開する事を意識していた」との言葉通り、大型ながらも足下技術に長けた彼はボールを持つと正確なキックで、右サイドMFの中野克哉やFW岩崎悠人へとフィードを展開し、カウンターの起点となった。後半39分には相手ゴール前でフリーとなるチャンスを「いつもやっているパターンなんですけど、正直、緊張して上手く合わせられなかった」と枠を大きく外し、勝利のチャンスを逃してしまったが、それを差し引いても彼の活躍は際立っていた。
この日は堂々たる存在感を示したが、ここまでは決して主力とは言えない存在だった。準優勝した12年の全国高校選手権では1年生ながらも登録メンバー入りする期待の存在だったが、翌年も同学年の清水と林大樹の牙城を崩せず、定位置を掴めなかった。最終学年を迎えた今季のスタート、2月の新人戦では高さを活用すべく、FWとして起用されたが、ここでもチャンスを活かせず。「シュートは外すし、ボールは収められないし、センスがないと自分で感じた。以降は練習中もコーチ陣から『もうFWは無いよ』とイジられもした」と苦笑いしたように、すぐさま本職であるCBへと戻った。
当初はなかなか出場時間を伸ばす事が出来なかったが、近畿大会で出場機会を掴むとまずまずのプレーを披露。7月からはプレミアリーグでも出番が回ってきたが、インターハイの1回戦・前橋育英戦では0-4で大敗し、屈辱を味わった。「悔しすぎてこのままじゃ、あかんなと思った。自分がやらなあかんという気持ちが強くなった」という思いをより強くしたのは8月に入ってから。「監督から、『このチームは3年が引っ張らないとダメ』と言われて、残り少ない高校サッカー生活を悔いなく過ごしたいなと、自分がしっかりCBとして引っ張っていきたいと思うようになった」。
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