[選手権予選]意地で筋力強化取り組んだ麻布大附FW竿下、成果示す延長V弾:神奈川
ゲキサカ / 2014年10月14日 23時29分
[10.12 全国高校選手権神奈川県予選3回戦 麻布大附高 2-1 川和高 日大藤沢G]
熱戦に決着をつけたのは麻布大附高のFW竿下征也(3年)の右足シュートだった。延長前半6分、麻布大附は交代出場のFW中尾亮介(3年)が右サイドを突破してラストパス。DFを背負いながらボールをコントロールした竿下は、そのまま右足シュートをゴール左隅へねじ込んで決勝点をもぎ取った。
ゴール前で魅せるテクニックとアイディア、そしてシュートセンスを安彦篤監督は「柿谷みたい」と表現する点取り屋。この日も足裏でのタッチなど多彩な足技と一瞬の加速でゴールへ迫った。ただ川和DFはシュートや飛び出すコースに蓋をして“危険人物”に決定的な仕事をさせない。前半にリードを奪われた麻布大附は川和の堅守を切り崩せずに窮地に陥った。竿下も「最初(失点直後)は『行けるっしょ』というのがあったけれど、時間が経つにつれて怖かった。(昨年の初戦敗退が)めっちゃよぎりました」と振り返る。
それでも「(ハーフタイムに)チーム的にはそんなに悪くなかったので、一から自分たちがやってきたこと話して、修正して、球際とかオレたちのオフェンスの力とか話し合ってもう一回気持ち入れてやりました」という竿下は、同点に追いついて迎えた延長戦で試合を決める決勝点。そしてスタンドの控え選手たちの下へ駆け寄って喜びを分かち合った。
スピードを武器のひとつとしている竿下はそのスピードを落とさないために、これまでは筋力トレーニングを全く行ってこなかったという。ただ「アビさん(安彦監督)に『オマエも背負えるようになれば、チームがもっと前でも収められるようになる』と言われて。『(今の)オマエはもしかしたら逃げているかもしれない』と言われて。自分の中でそんなこと言われっぱなしで引退できないと思った」とフィジカル強化を決意。筋力トレをかかさず行ってきたが、幸いスピードは落ちなかった。一方で変わったことがある。それは自信。「筋トレしてから自分が強くなったというか、気持ちの問題かもしれないですけど、背負うことが怖くなくなった。成果はあります」。意地もあって、筋力強化に取り組んだFWはその成果をこの日DFを背負いながら決めたゴールに繋げた。今後も精力的に取り組んで、その成果によってチームの攻撃パターンとゴール数増加をもたらす。
[写真]延長前半6分、麻布大附FW竿下が決勝ゴール
(取材・文 吉田太郎)
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