[MOM1214]樟南GK藤滉介(3年)_PK2本セーブ!声援支えに鹿実止めた守護神
ゲキサカ / 2014年11月13日 16時9分
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.12 全国高校選手権鹿児島県予選準々決勝 鹿児島実高 1-1(PK5-6)樟南高 鹿児島県サッカー・ラグビー場A]
「普段はそんなに止める方ではないんですけど、止めてくれたので良かったです。いざとなったらやるGKなので! 応援来たらもっと乗るので。(きょうは)乗りましたね。集中していたと思います」。鹿児島実高撃破を果たした樟南高のCB下堂龍聖主将(3年)は、チームを4強へ導いたGK藤滉介(3年)を笑顔で讃えていた。藤は高校入学後、親善大会で1度あったPK戦で止めることができておらず、普段のPK練習でもそこまで強さを発揮しているGKではないという。指揮を執った杉本勇樹監督も「練習全部入っていましたから。(きょうのセービングは)100回に1回。でも、当たりそうな気がしましたね。きょうは最初から止めていましたから」。樟南の普通科全生徒が駆け付けたこの日、PK戦では応援団の一部が逆サイドから鹿児島実側まで移動して「ふじ~!」「止めろ~!」と身を乗り出すかのように声援を送っていた。その中で「応援来たら乗る」守護神が最大限の力を発揮。2本のビッグセーブで鹿児島実撃破をもたらした。
PK戦では先攻・樟南の1人目が失敗。重い空気が漂ったが、藤は読みを的中させて鹿児島実の3人目をストップしてチームに流れを引き寄せる。そして鹿児島実7人目のキッカーは和田中時代のチームメートであるFW内田武蔵。藤はこの試合、後半39分に内田に同点ヘッドを決められていたが、このシーンでは「次は止めてやろうと思っていました。こっちに蹴ると分かっていたので読んでいました」と左へ跳んでストップする。見事に借りを返すとともに勝利を決めた。
「勝った瞬間、嬉しいの一言でした。応援も嬉しかったです」と藤。PK戦でのインパクトが大きかったが、80分間相手のクロスを安定したキャッチングで阻み、思い切った飛び出しで何度も相手のチャンスを潰していた。スペイン代表GKカシージャスが憧れと言う172cmの守護神は間違いなく優勝候補撃破の立て役者だった。鹿児島城西高と戦う準決勝も「勝つしかないのでみんなで頑張りたいと思います」という守護神が、応援の力を支えに再び金星をもたらす。
(取材・文 吉田太郎)▼関連リンク
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