[MOM1226]初芝橋本DF西岡伸(3年)_劇的Vもたらした攻撃的CB
ゲキサカ / 2014年11月17日 6時35分
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.16 全国高校選手権和歌山県予選決勝 初芝橋本高 1-1(PK5-4)近大和歌山高 紀三井寺]
開始15分でまさかの失点。追いかける展開となった初芝橋本高を支えたのがCB西岡伸(3年)。阪中義博監督が「今日のMVPは間違いなく、西岡でしょう」と太鼓判を押す活躍を攻守両面で見せ、起死回生での勝利の立役者となった。
失点だけでなく、「緊張のせいか、皆が焦って蹴ってしまっていた」と攻撃でもピリッとしない展開が続いた前半だったが、西岡自身は「僕はそんなに焦りはなかった」と独りどこ吹く風。近大和歌山が見せるショートカウンターを冷静に処理して、追加点を与えなかった。
後半に入ってからはベンチから飛んだ阪中監督の「幅を使え!」という初芝橋本のスタイルの起点に。「1年からずっとやっているので、どう動いたらどうパスを出してくれるかなど全部わかっている」というCB永見皓平、引いて受けるボランチ渡辺淳揮を交えて、何度もパスを交換。ピッチの左右へ揺さぶりながら、機を見ては前線へクサビのパスを入れて、FW末吉塁らのドリブルを引き出した。加えて、指揮官が高く評価したのが彼の持ち上がり。「僕は攻撃型のDF。ボールを持ったらドンドン前に行くタイプ」と自己分析するように相手のマークが遅れると見るや、DFラインからスルスルとドリブルで前に出ていくことで相手のマークを乱す事に成功。「ヒーローになりたいという気持ちがあったけど、決められることができなくてチームメートに申し訳ない」と振り返ったように時折、相手ゴール前まで進出し、シュートまで持ち込みながらも得点までは結びつかなかった。それでもその攻撃力はCBのモノとは思えない程だった。
34分には本職の守備でも見せ場を作った。近大和歌山MF南垣内萌生に中央突破を許し、PAでフリーとなったMF吉村和真に決定的なシュートを打たれたが、スライディングでブロック。このピンチを凌いでなければ、5分後に生まれたFW市川久也のヘディングシュートも意味もなさなかった。彼がこの日見せたプレーは、持ち味が出し切れずに終わった初芝橋本を大きく左右するモノばかりだった。
入学時からコンビを組む永見だけでなく、今年のスタメンのほとんどが下級生から主力を務めてきているだけに「どこまでも(上に)行けると思う」とチームに自信を見せる。言葉通り、今年は練習試合でほとんど負ける事がなかったが、選手権予選直前に行った香川西高などとの練習試合では黒星が先行。流れは良くなかっただけに「これで悪い流れを断ち切ることができれば。苦しみながらも勝てたことが大きい」とホッとした表情を浮かべた。
(取材・文 森田将義)
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