柏のレジェンド・北嶋に並ぶクラブ最多得点、工藤「まだ並んだだけ」

[7.15 J1第2ステージ第2節 横浜FM0-1柏 ニッパツ]

　柏レイソルの9番が、かつてその番号を背負っていたクラブのレジェンドと肩を並べた。

　抜け目のないゴールだった。前半28分、CKの場面でDFキム・チャンスのヘディングシュートがGKに弾かれたところを詰めていたのはFW工藤壮人。エースの6試合ぶりの得点が決勝点となり、チームの第2ステージ初勝利に貢献した。しかし、最前線に構える工藤にとっては苦しい展開となった。リードを奪った後は多くの時間で守ることになり、、チームの重心が後ろになったことで工藤は前線で孤立し、終わってみればシュートは得点シーンの1本のみ。それでも、DF小林祐三のコントロールミスを見逃さずボールを奪って2枚目のイエローカードを誘発するなど、得点以外でもチームを救った。

「相手のプレッシャーを受けて、いつもはないようなミスも多々見受けられましたけど、ミスしてもチームのために戻る、走る、ボールを奪い取るという気迫をチーム全体が見せてくれたと思います。僕もゴールという形で貢献できたことを非常に嬉しく思っています。勝利を待ち望んでいたサポーターのためにも今日の1勝はデカいと思います」

　吉田達磨監督も「こういったときに点を取るのが彼の持っている力」と賞賛。「トレーニングの中から点を取るような雰囲気を出していた。しっかりゴールを決めてくれたので、次につながると思う」と指揮官はエースの次戦以降の活躍にも期待を寄せる。

　これでJ1通算得点を「52」に伸ばし、北嶋秀朗氏が持つクラブのJ1通算得点記録トップに並ぶことになった工藤だが、「まだ並んだというだけ」と通過点に過ぎないことを強調する。「超えたいと常に思いながら毎試合毎試合一生懸命こなしていますし、超えたときにお話しできればと思います」。クラブの歴史に名を刻めるか――。次節、柏はホーム・日立柏サッカー場で川崎フロンターレを迎える。

(取材・文　奥山典幸)
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