[SBS杯]最下位に終わったU-18日本代表の数少ない収穫・・・「ボランチ堂安律」のメド
ゲキサカ / 2015年8月21日 17時50分
[8.16 SBS杯国際ユースサッカー最終節 U-18日本代表 1-2 U-18クロアチア代表 エコパ]
8月13日から16日まで行われたSBSカップ国際ユース大会で、U-18日本代表は2敗1PK勝ちで最下位という成績に終わった。チームとして明確に「収穫」と言える材料を見出すことが難しい大会になってしまったが、選手起用に関して手応えを得た部分はある。その最たる例が、「ボランチ堂安律」だろう。
所属するG大阪で高校2年生にしてデビューを飾った期待の大器はU-18代表ではサイドハーフでの起用が中心だった。U-16代表時代に左SBで起用されたこともあったが、「守備は苦手」と自ら語るようにディフェンシブな仕事を得意とするタイプではない。ただ、内山篤監督は夏を前にして堂安を配置転換。SBSカップでも専らボランチとして起用した。
発足当初のU-18代表は佐々木匠と坂井大将の二人がボランチで組むことが多かった。ただこの二人は共に165cm級の軽量選手。大きければいいというものでは当然ないのだが、コンタクトプレーが増えるような試合でこのコンビがどこまで機能するか未知数の部分も多かった。堂安も171cmと決して大柄な選手ではないが、相手と競り合う強さは十分にある。このチームのサイドハーフは突破からクロスという仕事を強く求められることもあり、高い技術とキープ力を持つ堂安を生かすには中央での起用と指揮官が考えたのは理解できる。
堂安は「やっていくうちに徐々にではあるけれど、できるようになってきた感じはある」とSBSカップでのプレーを通じてボランチでのプレーに一定の手応えを得た様子。守備が苦手と言いつつ、厳しく相手に寄せてボール奪取につなげるシーンも作れていた。
ただ、堂安をこの位置で起用する理由は守備でないことも確かだ。それは自ら「攻め上がったときに違いを見せたいし、『あいつが前に出ると何か違うな』と思われないと、(ボランチで使われる)意味がない」と断言したとおり。ミドルシュートを惜しくも外した場面をしきりに悔しがっていたのも、ボランチ起用だろうと自分の勝負ポイントをあくまで攻撃に定めているからだろう。
SBSカップでの堂安は、ボランチでの起用にメドが立った印象を与えた。ただ、「ボランチ堂安」のポテンシャルは、まだまだ開放されていない。
(取材・文 川端暁彦)
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