C大阪で初ゴールのFWエジミウソン「ようやく力を見せることができた」

[9.20 J2第32節 大宮1-2 C大阪 熊谷陸]

　残りのリーグ戦に向けて、大きなゴールだ。セレッソ大阪は20日の大宮アルディージャ戦に2-1で勝利。7月末に加入してから、ここまで4試合に出場してノーゴールだったFWエジミウソンが、試合を動かす先制ゴールを決めた。

　チーム全員にとっても待望のゴールだった。DF山下達也は「本人もプレッシャーを感じていたと思うし、練習から献身的にやっていた。性格も真面目。誰もがエジ(ミウソン)のゴールを待っていたと思うし、結果が出て良かったと思います」と、助っ人ブラジル人のゴールを喜んだ。

　エジミウソン自身も喜びはひとしおだ。「本当にうれしかったです。神様と家族に感謝したいと思います。そして、サポーター、チームメイト、スタッフ、みんなが支えてくれて、こうした良い瞬間が訪れました。僕を含め、みんながこの瞬間、このゴールを待っていたと思います。ようやく力を見せることができました。先発で出ようが、途中出場だろうが、チームの力になりたいと考えてきたので、そういう意味でもうれしいです」と、白い歯をこぼす。

　前半11分、高い位置からプレッシングを仕掛けて、大宮に自陣でボールをクリアーさせてスローインを得る。右サイドから入れたボールを受けたMF楠神順平がドリブルで左へ運び、DF丸橋祐介へパス。そこから丸橋がPA内に入れた高精度のパスをヘッドで合わせてゴールに決めた。

「クロスを上げるときにゴール前の状況を見ない人もいます。でも、彼は顔を上げて、ゴール前を見てくれました。そこでボールが来るなと分かりました。練習のときから彼がどんなボールを蹴るかは、常に見ています。ボールが入ってくると分かっているときは、信じてゴール前に入って行き、あとは点を取るだけです」

　大きな意味を持った2点目のゴールは、公式記録上、オウンゴールとなった。しかし、これも丸橋が左サイドから入れたボールに、エジミウソンが飛び込み、対応しようとしたDFに当たった結果のゴールだ。

「今週、羽田(憲司)コーチとニアサイドに飛び込む形をかなり練習しました。点が決まったときは、彼のことを思い出しましたし、あの練習の成果だと思います。試合に出ている人、出ていない人、直接関わっていない人も、みんなが重用なんです」

　首位の大宮に勝てたことの意味は大きいとしつつ、次の試合に切り替えることが重要だと強調する。「首位に勝つということは、本当に自信がつくと思います。まだ試合もたくさんありますが、大宮とは大きな勝ち点の差があります。ですから、これからは彼らのことを考えるのではなく、次の試合のことを考えたい。そうすることで成長できます。今週1週間、重要な試合が続きます。この勝利に浮かれることなく、次の試合でも全力を尽くしたい」。約2年半ぶりに、日本で通算112点目となるゴールを挙げたストライカーは、周囲の協力を得ながら、C大阪のJ1昇格のために、これからもゴールを狙い続ける。

(取材・文　河合拓)