存在感示した“元大分カルテット”森重「根気よく続けることがスタメンへの近道」
ゲキサカ / 2015年11月13日 16時12分
持ち味は出した。シンガポール戦(3-0)から一夜明けた13日、日本代表DF森重真人(F東京)は手応えをつかんでいた。
前半20分、右サイドのFW本田圭佑へピンポイントのロングボールを送り、先制点の起点となった森重。最終ラインでビルドアップしながら、隙を見ては鋭い縦パスを入れた。「うまく(柏木)陽介とパス交換しながらパスコースを探していた。リズムよく、テンポよく後ろからつなげることができたし、前にも入れやすかった」。前半は小気味よいパス回しが何度も見られ、前半26分には鮮やかなコンビネーションから追加点を奪った。
「当てて落として裏を狙うという良いシーンも何回かあった。ある程度、手応えはつかめた」。現状はDF槙野智章とセンターバックのポジションを争っている。ここまで2次予選5試合のうち森重が3試合、槙野が2試合に先発。守備では5試合連続の無失点と両者ともに譲らぬ中、攻撃におけるビルドアップや縦パスという自分の武器でアピールした。
「自分はそうやって1試合1試合、アピールを続けていくことが大事。一喜一憂せず、根気よく続けていくことがスタメンへの近道だと思うし、これを続けていきたい」
シンガポール戦には森重のほか、GK西川周作、MF清武弘嗣、FW金崎夢生というかつて大分トリニータでチームメイトだった4人が先発した。金崎は貴重な先制点となる代表初ゴールを決め、清武はトップ下で奮闘。森重、西川も完封勝利に貢献するなど、それぞれが存在感を発揮した。
試合後、西川は「大分のスタジアム(大分銀行ドーム)にそっくりなこのスタジアムで、久々の感じ(のメンバー)でやれてうれしかった」と話していたが、その思いは森重も同じだ。
「前のチームで一緒にやっていた選手と代表で会えるのはうれしいし、しかもスタメンで出られて、自分たちだけでなく、大分のサポーターや関係者も喜んでくれたと思う」。08年にはナビスコ杯優勝、J1で4位というクラブ史上最高の成績を残したが、翌09年にJ2降格。クラブの財政難もあり、4人は同年限りで大分を退団した。
今季はJ2で熾烈な残留争いを繰り広げ、残り2試合でJ3との入れ替え戦ラインとなる21位に低迷している古巣の結果は今も気にしているそうで、「今、厳しい状況にあるのは分かっている。何とかいい結果を残してほしい」と、異国の地からエールを送っていた。
(取材・文 西山紘平)
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