[選手権予選]“3年5組“で磨かれた重圧打破と信頼、國學院久我山がPK戦制して全国へ:東京B
ゲキサカ / 2015年11月15日 12時46分
迎えた延長戦もペースはやや帝京に。それでも「『気持ちが折れた方が負ける』と延長戦では思っていた」という宮原の想いを久我山イレブンも共有。「ゲームを80分間、今日で言えば100分間コントロールするのは不可能だと思うので、そういう時間帯でもよく踏ん張れるようになったなと思います」と清水監督。双方が最後まで走り切った100分間でもスコアは変わらず。全国切符の行方はPK戦へと委ねられる。
どちらも1人目が失敗して、迎えた久我山2人目は『3年5組』の鈴木遥太郎。左スミを狙ったキックは渡辺に触られたが、ポストを叩いて何とかゴールに転がり込む。3人目の野村京平、4人目の山本と続けて『3年5組』が成功し、5人目の宮原もきっちり左上スミへ成功。帝京も2人目以降は全員が確実にゴールを奪い、PK戦でもなかなか決着の時は訪れない。
久我山6人目は小林和樹。この局面で小林は左上スミの難しいコースにシュートを突き刺す。久我山7人目は試合終了間際の100+1分に交替で入った比留間公祐。ほとんどファーストタッチに近かったはずのキックを、比留間も渡辺に触られながら左スミにねじ込んで見せる。その直後、帝京7人目のキックがクロスバーの上に外れた瞬間、久我山の選手権予選3連覇を告げるホイッスルが西が丘にこだました。
インターハイ予選準決勝ではPK戦で勝利を収めたものの、昨年度の選手権では全国の3回戦で京都橘高にPK戦の末に敗れており、清水監督も「ウチは元々PK戦の勝率が物凄く低かったので、そういう意味ではPK戦をやりたいとはまったく思っていませんでした」と苦笑交じりに話したが、「自分たちはPK戦で負ける気はしなかったです」と胸を張った宮原は「自分たちは“5組”というスポーツクラスで、そのクラスの人は例えばPKや抽選のように、メンタル的にプレッシャーの掛かることをホームルームとかで指導してもらっているんです。2人目の鈴木のキックはポストに当たって入りましたけど、触られても入るというのはプラス思考ということを普段の生活から意識しているからだと思います」と続けて口にする。サッカー面だけではなく、日常からプレッシャーにさらされる状況を『3年5組』で意識的に経験してきたことが、この土壇場でのメンタルコントロールに大きな作用をもたらした。ちなみに唯一外した1人目のキッカーは『3年5組』ではなかったそうだが、「外しても『大丈夫、大丈夫』と笑って帰ってきました」(宮原)とのこと。決してメンタルが弱かった訳ではなさそうだ。
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