昨年U-19代表で味わった悔しさ晴らして世界へ、MF川辺駿「最終予選の舞台で借りを返したい」
ゲキサカ / 2015年11月27日 9時7分
[11.26 練習試合 湘南 1-1 U-22日本代表候補 BMWス]
ジュビロ磐田のJ1復帰に大きく貢献した20歳の司令塔。MF川辺駿がアジアでのリベンジを誓った。「もちろんリベンジしたい。U-19のメンバー、そんなに多くはないですけど、その人達の思いも強く感じているし、それを違う年代ではあるけれど、同じ最終予選の舞台で借りを返したいですね」。FW南野拓実やFWオナイウ阿道らとともに戦った昨年のAFC U-19選手権(15年U-20W杯アジア最終予選)では準々決勝でPK戦の末、北朝鮮に敗戦。日本は4大会連続でU-20W杯への出場権を逃した。
昨年、アジアの舞台で感じたものは、終盤戦で14試合連続先発するなど33試合に出場したJ2での戦いに活きた。「(アジアでは)相手が強い気持ちが来ていた。今年、磐田に行ってJ2戦ってみても北朝鮮より球際来ていたチームはなかったし、(北朝鮮は)球際ではどっちかが倒れるくらいふっ飛ばしてきていた。そういう場でしか経験できないけれど、経験できたからこそ今がある」。あの厳しさを意識して成長し続けてきた1年間。予選リーグでその北朝鮮とも戦うAFC U-23選手権へ向けてこう加えた。「自分たちが球際に驚くのではなくて、自分たちが驚かせるくらいにプレーしなければいけない。チームがどうこうではなくて、個人個人行ければ五分五分のボールを自分たちのボールにもってこれると思うんで、そうなれば、より自分たちが試合を進めやすくなる」。悔しい経験を今回の五輪予選突破への糧とする。
後半16分からピッチに入った湘南戦では相手を押し込んだ終盤、ほとんどの攻撃がチャンスに繋がっていた。川辺自身、44分にはミドルシュートにチャレンジ。強烈な一撃はGK正面を突き、アディショナルタイムには右CKのこぼれに決定的な形で反応したが、右足シュートはDFにブロックされた。最後のプレーまで足を伸ばしてきた湘南のように、アジアの対戦相手たちもゴール前では間違いなく自由を与えてくれない。「(きょうは)こぼれ球来て相手は身体を投げ出してきたし、アジアでも投げ出してくると思う」。1点をもぎ取るために、もう1テンポ速くなどタイミングをずらしてシュートする必要性、そしてチームとしてもより対戦相手を仕留める形をもっていかなければならないと感じた練習試合だった。
川辺は2月に期限付き移籍した磐田で熾烈なJ1昇格争いを経験。福岡とのデッドヒートは最終節まで続いたが、チームはラスト13試合を不敗で乗り切った。川辺は特に引き分けも許されない重圧のあった最終戦などで先発を経験し、J1昇格できたことを喜ぶ。広島とはまた違う、後のない状況での貴重な経験の連続。「負けたら終わり、引き分けでも終わりという状況だったので。後ろから追われる立場でプレッシャーが相当かかる状況で試合したり、その試合に(監督の)名波さんが使ってくれたというのは、これからあまりない経験だと思うし、いい経験だったと思います」。広島ユースから広島トップチームに昇格した昨年はJ1で途中出場1試合のみ。試合勘が不足したまま臨んだAFC U-19選手権で痛感した部分もある。「公式戦を絶対に経験した方がいい。18、19、20の一番大事な中で経験しなければいけない」と誘いのあった磐田への移籍を決断し、そこで主力として活躍したからこそ、今がある。
「U-19の最終予選までに試合に出られていればまた自分の違ったプレーができたと思う。自分のチームで出られないから難しい部分もあった。今は試合に出ているからこそ呼ばれていると思うし、常に試合に出れる環境には身をおきたいし、どの環境でも試合に出れるレベルに自分はもって行かなければいけない」。五輪切符を懸けたAFC U-23選手権でも試合に出て貢献すること。昨年、アジアで悔しさを味わった95年生まれ世代の代表としてアジアでリベンジする。
(取材・文 吉田太郎)
●AFC U-23選手権2016特集
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