誰よりも声を張った流経大DF今津「みんなに笑われたりしたけれど…」
ゲキサカ / 2015年12月28日 7時29分
誰よりも声を張り、強く激しくプレーした。26日に行われた全日本大学選抜最終選考会。紅白戦では緊張により身体は固く、連携も取れずに戸惑う選手が多いなか、流通経済大DF今津佑太(流通経済大2年=流通経済大付柏高)ははっきりとしたコーチングで存在をアピールした。
「ディエゴ!ディエゴ!ディエ、ディエ……ディエゴ!」。思わずスタンドを含めた周囲から笑いが漏れた。後方から前線のFW田場ディエゴ(国士舘大1年=日大藤沢高)へ向けて、今津が発したコーチングだった。声を張ったDFは「ちょっとみんなに笑われたりしましたけど、みんな緊張している部分があったので、よりコーチングをしていこうと思いました。分かりやすく、はっきり伝えれば、チームの統一につながっていくかなと思ったので」と説明する。
寄せ集めのメンバーでの紅白戦。どのチームも連携不足を露呈し、パスミスが頻発。DFラインも統率が取れていたといえる状況ではなかった。それでも今津は自分に出来ることを見つけ、声を出した。「自分はそれくらいしかできることはないので。声とかは切らさないでやろうと思っていました」。選考がかかった紅白戦で怖気づかずにプレーできる強心臓ぶりを改めて見せつけた。「最後まで戦える選手を見つけたい」という宮崎純一監督ら選抜スタッフの前で充分なアピールになったはずだ。
昨年の流通経済大は夏の総理大臣杯を連覇し、冬の全日本大学選手権(インカレ)を制する順風満帆なシーズンだった。1年生ながら主力CBとしてプレーした今津は、相手エースを封じ込めるなど、チームに大きく貢献。迎えた2年目の今季、流通経済大には3冠の期待がかかった。しかし、蓋を開けてみれば2015シーズンは無冠。総理大臣杯は準決勝で明治大に1-1(PK3-5)で敗れ、関東リーグは首位と勝ち点8差の5位。インカレは準々決勝で散った。
無冠のシーズンを振り返ったDFは「自分のミスで失点した部分は少なからずある。それは優勝できなかったことにも関わってくるので、そういった時に情けなさや無力さは感じました」と唇を噛む。
とはいえ転んだままではいられない。「1年目は確かにいいシーズンだった。でも自分としては、勝てなかった今シーズンは、日本一になるために足りなかったものに気づけたので。これから改善して、今後の糧にして頑張っていって、このシーズンも良いシーズンだったと思えるようにすればいいかな」と前向きに捉える。今季の反省は来季に活かす。
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