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[選手権]「東京五輪世代の逸材集結!冬の主役候補たちvol10」桐光学園FW小川航基(3年)_東京五輪世代のエース

ゲキサカ / 2015年12月29日 7時0分

第94回全国高校サッカー選手権

 大会の主役と言って良いだろう。神奈川の名門・桐光学園高の最前線に陣取るのは、U-18日本代表のFW小川航基。2020年東京五輪を23歳で迎える世代のエースストライカーだ。身長184cmと恵まれた体格にスピードと技術を兼ね備えたストライカーで、右足、左足、頭と、多様な得点パターンを持っている。夏の全国高校総体では、久御山高(京都)戦で2ゴール。タイミングの良い動き出しで相手の背後を突き、スピードとパワーで相手をちぎるように振り払いながら、利き足ではない左で確実にシュートを決めた。U-18日本代表の練習試合でジュビロ磐田と対戦したときには、左CKを頭でズドンと合わせて得点。身体能力任せの粗削りなタイプではなく、周囲との連係からタイミングを合わせた動き出しができるため、相手にとっては厄介なことこの上ない。U-18日本代表では10月のAFC U-19選手権予選で3試合連続ゴール。11月には来季からJ1に復帰する磐田への入団が発表され、期待はふくらむばかりだ。

 小川が注目の的となる理由は、プレーの特徴だけが理由ではない。長身のイケメンエースは、主将として臨んだ組み合わせ抽選会で報道陣に囲まれた際に日本代表FW大迫勇也(ケルン)が鹿児島城西高時代に打ち立てた1大会10得点(首都圏開催移行後)の記録更新に意欲を示すなど発言も頼もしいのだ。県予選の初戦で桐蔭学園を延長戦の末に自らのゴールで下したときも「最後に決めるのは小川だという形にしないといけない」と強気のコメントを残した。ビッグマウスと捉えられる可能性もあるが、実際に接してみるとリップサービスのようなものではないように感じられる。小川はいつも堂々として、まるで物怖じしない。ただ素直に、自分の胸にある思いを率直かつ分かりやすく伝えているに過ぎない印象だ。

 桐光学園は3トップ気味の布陣を基盤としており、小川は最もゴールに近い3トップの頂点が定位置だ。通常、FWは良いパスを受けられないときや、チームのリズムが悪いときには、マークが厳しいゴール前から一度離れて、サイドや中盤でボールを受ける動きが増えやすい。ボールを触る機会を増やして攻撃のリズムを作るためだが、相手から見ればエースがゴールから遠ざかってラッキーだという一面もある。しかし、小川は真ん中に構えて動じない。チャンスは一度あれば十分とでもいうくらいに最もマークが厳しいゾーンで勝負する。桐光学園の鈴木勝大監督は「小川がサイドに流れないのは、アイツのプライド。小川が2、3人に囲まれることがあったので、最初は3トップで流動的にやっていたけど、『センターフォワードでやらせてください』と言って来た。確かに真ん中で収まると、うちの両サイドが生きる。プロに行く選手だし、自己主張も大事。僕が監督だからと言って、すべてを押し付けると成長を妨げてしまう」と直訴を受け入れた形であることを明かした。

 1年次から堂々とプレーし、監督にも意見をぶつけられる。今季になって主将を任されたことで精神的に一皮むけた部分もあり、簡単にはブレない自分自身の軸を持っていることが、何よりも頼もしい部分だ。選手個人における大会前の注目度は、ナンバーワン。しかし、勝たなければならない大会であることは間違いない。本当の主役は、大会が終わったときに決まるものだ。最初から最後まで主役を張り続けることはできるのか。年明けの1月2日に行われる2回戦から、小川の高校最後の挑戦が始まる。

(取材・文 平野貴也)
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