[選手権]「自己責任」でつかんだ松山工、50年ぶりの勝利!!
ゲキサカ / 2016年1月2日 22時38分
[1.2 全国高校選手権1回戦 松山工1-1(PK4-1)丸岡 駒沢]
松山工高(愛媛)が、丸岡高(福井)をPK方式の末に下して同校50年ぶりとなる嬉しい1勝を記録した。1月3日、駒沢で駒澤大高(東京B)と対戦する。福井の雄・丸岡は、同点に追いつく粘りを見せたものの、一歩及ばなかった。
県予選無失点の丸岡の堅守と、県大会決勝で9ゴールを挙げた松山工の攻撃力が見どころとされたこの試合。松山工の坂本哲也監督が「前半は普段の出来の40%」というように、前半は丸岡のペースだった。「前半はSBが上がってくるのはわかっていたのでそこにFWをぶつけようと。あと、県外のチームとやると真ん中を割られるので、中央に枚数を増やした」というのは、丸岡の小阪康弘監督が明かしたゲームプランだった。結果として「前半はハマった」(小阪監督)。松山工としては「SBがサイドを駆け上がってなだれこんでいくサッカーを心がけている。うちは機動力が持ち味、個々の力で挑む」(坂本監督)持ち味が消され「立ち上がりから防戦一方。ディフェンシブなサッカーになった。全国では思うようなサッカーをさせてくれない」と痛感させられた。
しかし「前半は危険な場面が多かったが集中が切れなかった。ハーフタイムに守備の立ち位置を修正し、攻撃のポジションも少しワイドに」修正を施す。結果「自分たちのサッカーに持って行けるような時間帯になって、そこから勝機をうかがおうとした」(坂本監督)。後半5分、心がけていたサッカーが具現化する。中央、FW野川稀生(3年)から右SBのDF兵頭俊昭(3年)へボールが渡ると右サイドを突破。中央への折り返しにFW徳永吉晟(3年)が合わせて先制した。
どちらかというとペースを握っていた丸岡には痛い失点。しかし「追いついてくれると思っていた。0-1でも0-2でも、諦めないでいれば相手の動きは落ちてくる。いつもは失点して空気が沈むが、今日は沈まなかった」と小阪監督がいうように、反撃に出る。後半25分、右サイドのDF折尾凌太(2年)のクロスをMF芹川大希(3年)が頭で合わせる。バーに当たって跳ね返ったところを再び芹川が押し込み同点とした。勢いに乗る丸岡はこの後にも、押し込むシーンがあったがゴールにはならず。試合はPK方式にもつれこむ。
松山工のキッカーの順番を決めたのは選手たちだった。「どうする?と聞いたら自分たちで決めます、と。私の案は採用されなかった(笑)。自立という言葉が適切かはわかりませんが、今の3年生は1年のときから自分たちで考え、意見を出してきた。我々指導陣は、メニューは与えこそしますが、その後の詳細は見守ることが多かったんです」(坂本監督)。最終学年になる頃には、指導陣が言う前に空気を察し、自分たちで動けるチームに成長したという。そんな彼らの自主的な責任感もあってか、キッカーは4人全員が成功した。
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