[MOM1661]松山工DF兵頭俊昭(3年)_ピッチ上の監督が心身ともにチームを鼓舞!
ゲキサカ / 2016年1月2日 22時37分
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.2 全国高校選手権1回戦 松山工1-1(PK4-1)丸岡 駒沢]
SBながら県大会MVPに輝いたのはダテではない。この日は右SBで先発。スピードあふれる身体能力も魅力。だが、DF兵頭俊昭(3年)の強みが活きるのも試合を俯瞰できる「眼」をもっているからだ。
「前半は、相手が前に蹴ってくるのでセカンドボールを拾うことを意識していました。が、拾われて押されてしまいました。後半のアシストは、DFがボールサイドに寄ることはビデオを観てわかっていたので、逆サイドが空くのを狙っていました。(空いたスペースを見て)タテにいけると思ったらいけました」と、前半から後半5分の先制点をアシストしたシーンを振り返る。
ビデオ分析は選手たちだけで行う。「みんなで見て攻めどころとキーマンを確認しました。ミーティングも選手たちだけで行いますが、長くやると焦れてくるので(笑)手短にやっています」。自分の言葉を持っている、そんな印象だ。それもそのはず、主に自分たちで考え、動くのが、今年の松山工のチームカラーだ。
「監督やコーチからメニューはもらえますが、自分たちで足りないと思うところは自分たちで考えて練習してきました。それに対してまたアドバイスをもらうという形。監督たちが和やかでいてくれるからこそできることで、コーチたちを自分たちがイジることもあります」
「試合中、自分たちでいかに修正するかはずっと言われてきた」という。その真骨頂が現れたのが同点に追いつかれた直後だ。「兵頭がピッチ上で『まだ追いつかれただけだ。これからが勝負。連続失点だけは気を付けろ』と言っていた」と坂本哲也監督が言うように、主将としてチームを引き締めることを忘れなかった。「振り出しに戻っただけだと。結果、いつもしてしまう連続失点を免れられた。PK(方式)になっても負ける気はしませんでした」。実際同点に追いつかれた後も立て続けに失点しそうなピンチはあった。そこを防げたのは、彼の一言によるところが少なくないだろう。
そして自分たちで決めたPK方式の順番。自分は3番目。じつは、PKだけは「めちゃビビッていた」という。「3番目の僕と4番目のMF日野貴登(3年)は、玉野光南との練習試合で外していたので。1番目はいつもFW野川稀生(3年)がいくと言ってくれるんですけどね」。実際、丸岡高(福井)の2番目のキッカーが外した直後のキックだっただけに重圧はあっただろう。だが無事成功。「中途半端に蹴るのではなく、外してもいいから思い切りいこうと話した」言葉通り、相手GKの逆を突き、右下へきれいに決めてみせた。
監督に任され、選手たち自ら動くチーム、そして機動力をウリとするチームの象徴的存在。「監督が責任を負ってくれるといっているので、じゃあ負わせようかな、と」。いつもの(?)イジりも披露して見せた兵頭。チーム状態は、良好だ。
(取材・文/伊藤亮)▼関連リンク
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