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[選手権]駒澤大高は代役CBの10番FW深見が東福岡相手に大健闘!指揮官「褒めることしか出来ない」

ゲキサカ / 2016年1月6日 6時3分

[1.5 全国高校選手権準々決勝 駒澤大高 0-1 東福岡高 駒沢]

 駒澤大高はこの日、守備の柱で高いフィジカル能力を持つ183cmCB佐藤瑶大(2年)の欠場を強いられた。その中で大野祥司監督は会場入りしてから10番FW深見侑生主将(3年)に「オマエしかいない」とCBでの先発を伝える。GK以外はすべてのポジションを経験したことのあるポリバレント性、守備センスを持ちあわせた深見は今大会、FWで先発して試合途中から右SBに入って守り切るなどDFとしての守備力も発揮していた。それでもぶっつけ本番。それも対戦相手は優勝候補・東福岡高だったが、「正直驚いたんですけど、気持ちで守れるかなと思った」と振り返る深見が強力攻撃陣の前に立ちはだかった。

「2年ぶりとかだったのでポジショニングとかハチャメチャだったかもしれないですけど、とにかく監督にも無失点にこだわってやれと言われていたんで。もちろんポジショニングとか大事だと思うんですけど気持ちでやりました」。不格好でもいい。背後を取られた場面もある。だが、とにかくゴールを守ることに集中した。相手のエースFW餅山大輝(3年)は「身体もデカイし、懐も深いし超高校級の選手だった」(深見)だったが、「競り合いで競り勝っていましたし、1年生であれだけやれるというのは凄いなと思った」と評する1年生CB西田直也とともに対応。味方のハイプレスがハマっていたこともあって、攻撃の起点をつくらせなかった。

 後半15分には餅山に抜けだされてGKもかわされた。絶体絶命のピンチだったが、いち早く西田がゴールをカバー。深見は一瞬シュートを躊躇した餅山との距離を一気に詰めると、見事にスライディングタックルを決めてクリアしてみせた。大野監督も「本当によくやってくれたと思います。ぶっつけ本番で急遽やってくれたと思うので、褒めることしか出来ないですね」と絶賛した好守で無失点のまま試合を進める。

 それでも後半22分、クロスのこぼれ球を押しこまれて失点。深見は「自分たちはチャンス少ないのは分かっていた。それを決めきって勝つというプランを立てていたんですけど。自分は(急遽先発したとはいえ)CBだったので、失点したら自分の責任というくらいにやっていたんですけど……」。失点後も集中力を切らさずに守って反撃を待ったが、同点ゴールは生まれず。敗退が決まった。

「ベスト8まで来れたのは光栄なんですけど、ここで負けたのは本当に悔しいですね。頼りないキャプテンでついて来てくれて本当に感謝している」と深見。高校3年間について「楽しいこともありましたけれど、辛いこと、厳しいことが今振り返っても多いなと思いますし、それを乗り越えたからこそ歴代最高の成績を出せたのだと思います」と振り返った主将は「やりきった? それとも後悔している?」の問いに対して「やりきったという方が多いですね」と胸を張った。進学する駒澤大でサッカーを続けるかどうか現在思案中。だが、部員257人を背中と声で引っ張ったリーダーであり、個の能力値も高い駒澤大高の主将が大学サッカーでもう一度やり切ってくれることを期待する声は多い。

(取材・文 吉田太郎)▼関連リンク
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