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[選手権]“赤い彗星”冬も輝く!東福岡が5発、17年ぶりVで夏冬全国連覇達成!

ゲキサカ / 2016年1月12日 8時18分

 國學院久我山ベンチは43分に早くも動く。小林に代えて準決勝で後半アディショナルタイムに決勝点を決めているDF戸田佳佑(2年)を左サイドへ送り出した。だが後半開始直後、トリッキーなセットプレーによって東福岡が突き放す。2分、DFの背後へ飛び出した餅山が右中間でFKを獲得。壁の前でゴールを背に肩を組んだ東福岡の3選手がポイントからゴール方向へ後進すると、その3人が前のめりに倒れ込んだ瞬間、10番・中村が右足を振りぬく。GKの視界から上手くボールを隠して放たれた、意表を突く一撃が鮮やかにゴール左隅へ吸い込まれた。

 夏の全国高校総体準決勝で対戦した立正大淞南高のFKをヒントにしたトリックプレー。これで2-0と突き放した東福岡に対し、國學院久我山は12分、戸田がドリブルでPA近くまで運ぶとパスを受けた名倉が左足シュートを放つ。だがこれはGK脇野の正面を突き、20分に宮原が放った強烈な左足シュートはCB福地の顔面ブロックによって阻止されてしまった。
 
 東福岡は22分、中村が右サイド後方から出したループパスで抜けだした餅山が左足ループシュートを決めて3-0。さらに25分には右サイドを切れ込んだ児玉の折り返しを餅山がスルーし、最後は中央でフリーの藤川が右足でゴールへ押し込んだ。4点差とした東福岡は34分、三宅に代えてFW毎熊晟矢(3年)を投入。國學院久我山は内桶に代えてMF比留間公祐(3年)をピッチへ送り出した。だが次のゴールを奪ったのは東福岡。35分、餅山からのパスを受けた中村が鮮やかな右足コントロールショットを決めて5-0とした。東福岡は41分、餅山に代えてFW佐藤凌我(2年)を投入。そしてアディショナルタイムには橋本とMF高江麗央(2年)を交代させた。諦めない國學院久我山はDFを外しながらボールを動かし、中央から連続してチャンスをつくるなど最後まで1点を狙い続けたが5-0で試合終了。東福岡の赤いユニフォームが埼玉で舞った。

 東福岡の現3年生は同じく全国総体優勝を果たした1学年上の先輩たちと常に比較されてきた。MF中島賢星(現横浜FM)らタレントの揃っていた先輩に比べられて入学当初から“史上最弱”とも評されてきたが、それを覆して夏冬連覇。「強い世代」としてその名を歴史に刻んだ。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 吉田太郎)▼関連リンク
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