[MOM1688]東福岡MF三宅海斗(3年)_挫折乗り越え“決勝男”に…支えになった仲間の言葉
ゲキサカ / 2016年1月12日 0時58分
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.11 全国高校選手権決勝 東福岡高5-0國學院久我山高 埼玉]
左足に込めた思いは、仲間への感謝だった。東福岡高(福岡)は前半36分、左サイドから細かいパス交換で崩し、MF中村健人(3年)の縦パスをPA内中央で受けたMF藤川虎太朗(2年)が相手を引き付けて右サイドへラストパス。走り込むMF三宅海斗(3年)が利き足の左足を振り抜くと、低い弾道のシュートはGKの脇を抜けてゴールネットを揺らした。
貴重な先制点を決めた背番号11は試合後のヒーローインタビューで「今日は(1月)11日だったので、自分の日だと思って、絶対に決めたいと思っていた」とおどけた。「試合前からみんなに『お前の日だな』と言われていた。本当に決まって、すごいですね」。夏冬連覇を達成した東福岡。夏の全国高校総体決勝・市立船橋戦(1-1、PK6-5)で先制点を決めたのも三宅だった。
今大会のゴールは1回戦・遠野戦(3-0)以来、5試合ぶりとなる2点目。「決勝になると、ボールを受ける回数が増えるというか、そこは期待されているのかなと感じる」。そう淡々と振り返った“決勝男”だが、新チーム立ち上げ当初は春先にメンバーから外れる時期も経験するなど苦しんだ。
「自分が“ヒガシのサッカー”を分かってなかった。(両サイドは)ワイドに張らないといけないのに、自分はドリブルがしたくて中に入るプレーが多かった」。森重潤也監督からは「シンプルさがない」「自己中心的なプレーが多い」と“ダメ出し”を受け、「2か月ぐらいは試合に出られなかった」という。
当時の心境について「マジで(サッカー部を)辞めてやろうと思った」と本音を漏らす三宅を支えたのはチームメイトだった。「練習が終わったあと、プレミアリーグのメンバーが発表されて自分が外れていたらグラウンドの隅で泣いていた。でも、Aチームのみんなが駆け寄ってきて、『絶対にお前が必要だから』と声をかけてくれた。それが支えになった」と心から感謝する。
先発に戻ったのは昨年4月26日に行われた高円宮杯U-18プレミアリーグWEST第3節の名古屋U18戦。「やってやろう、このチームに貢献してやろうと思った」。前年度は現ヴィッセル神戸の“和製クリロナ”MF増山朝陽が君臨した「ヒガシの右サイド」。挫折を乗り越え、そこで確固たる地位を築いた三宅が夏も冬も決勝でゴールを決め、1学年上の先輩たちが成し遂げられなかった夏冬連覇に導いた。
(写真協力『高校サッカー年鑑』)
(取材・文 西山紘平)
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