[練習試合]柿谷ら主軸欠場のC大阪、岡田氏オーナーの今治にPK弾で辛勝
ゲキサカ / 2016年2月11日 18時32分
[2.11 練習試合 C大阪 1-0 FC今治]
2月11日、宮崎県内でキャンプを張るセレッソ大阪は、元日本代表監督の岡田武史氏がオーナーを務めるFC今治(四国リーグ)との練習試合を実施。「粘り強い、素晴らしいチームだった」(大熊清監督)という今治の戦いぶりに手を焼きつつも、終了間際のPKで得た1点で、1-0の辛勝を収めた。
C大阪はFW柿谷曜一朗、FW玉田圭司といった主軸と目される選手たちの多くが直近の練習ゲームからの疲労を考慮して不在。ただそれでも、MF扇原貴宏、MF関口訓充、MF橋本英郎、FW田代有三と4人の元日本代表選手が先発に名を連ね、ベンチにはドルトムントから復帰したMF丸岡満が控えるという陣容。新加入選手たちにとっては、この分厚い選手層の壁に挑んでいく戦いの場となる。昨季は金沢で大ブレイクを果たして移籍加入に至ったMF清原翔平も「みんな上手いけれど、そこを勝ち抜かないと試合に出られないことは分かっている」とアピールの場と位置づけて試合に臨んだ。
対する今治は今年から大幅にメンバーを入れ替えており、元U-16日本代表GK岩脇力哉(筑波大)と元U-18日本代表DF宮本和輝(順天堂大)に加え、MF岡山和輝(大阪産業大)、MF長島滉大(成立学園高)、FW坂本航輝(大分南高)のルーキー5人が先発。さらに近畿大を卒業後にドイツ・ゴンセンハイムでプレーしていたMF桑島昂平、磐田から期限付き移籍のMF上村岬も先発に名を連ねた。大卒2年目も二人が先発しており、DF金井龍生も今季SP京都から移籍してきた選手。非常にフレッシュな陣容だった。だが今治は、岡田オーナーもベンチで見守る中、「急造感」のない戦いぶりを見せることになる。
もちろん、前半から押し込んだのは個々の能力で上回るC大阪ではあった。田代と2トップを組んだ大阪体育大から加入の新人FW澤上竜二がGKと1対1の絶好機を迎えるなどチャンスも作ったが、これが決まらない。「ああやって外していると相手のモチベーションも上がってきてしまう」と大熊清監督が苦笑いを浮かべたように、試合のペースをつかみ損なってしまった。後半15分から注目の丸岡も投入して攻勢を強めたが、今治も粘り強く対応。結局得点は42分に扇原のミドルシュートに対するブロックがハンドと判定されてのPKを関口が決めた1点にとどまり、そのまま1-0で試合終了となった。
今治はC大阪の攻勢に対応しながら、しっかりボールをつないで押し返す時間帯を作るなど、全体に善戦。大熊監督も「いいチームでビックリした。集中していないとやられるという試合をできた」と歯応えのある相手に手ごたえを得た様子だった。90分ゲームをこなすのが今年初めてという選手も多い中で、苦戦自体は許容している様子だった。ただ、J2リーグでも押し込みながら1点が奪えない状況になる展開は予想されるだけに、「こういう試合はワンチャンスを決められるようなことがないように自滅的なプレーをしないことが大事で、その点では甘さがあった」と、軽いプレーからピンチになりかけた場面については厳しく警鐘を鳴らしていた。
一方、30分間の出場となった丸岡はサイドハーフ、ボランチ、トップ下などさまざまな位置で起用されているが、フィットはし切れていない。「セレッソのスタイルに馴染まないといけない。ドルトムントと違って日本は後ろから作っていくのがベースなので」と、日独のサッカー観の違いに戸惑いがあるようで、「守備もユースのころの感覚を思い出さないといけない」と、まだまだ順応できていないことを本人も認めていた。もう少し、時間が必要になるだろう。
8日から始まったC大阪の宮崎キャンプは18日まで行われる。2日後の13日に福岡と、17日に全日本大学選抜および広島との練習試合が組まれており、開幕に向けて徐々に仕上げていくことになる。分厚い選手層をどう料理してチーム力の向上へ繋げるのか。大熊監督の手腕があらためてポイントとなりそうだ。
(取材・文 川端暁彦)●2016シーズンJリーグ全クラブ練習試合
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