[新人戦]「もうセカンドチームじゃないと思っている」。主力抜きの京都橘が延長戦で洛北を破り、京都制覇
ゲキサカ / 2016年2月24日 10時13分
[2.21 京都高校新人大会決勝 京都橘高 1-0(延長)洛北高 西京極陸上]
平成27年度京都府高校サッカー新人大会の決勝戦が21日に行われ、京都橘高と洛北高が対戦。昨年の選手権予選決勝と同カードとなった一戦は延長後半終了間際に奪ったDF吉水太一のゴールによって、京都橘が勝利し、5年ぶり3度目の新人戦優勝を達成した。
京都橘はU-18日本代表のFW岩崎悠人を筆頭に、守護神のGK矢田貝壮貴やMF堤原翼、DF濱本和希など主力が欠場し、12番手以降のセカンドチームで今大会を勝ち上がってきた。一方の洛北は現状のベストメンバーで挑んだが、試合後に前田尚克監督が「また、やられてしまった。橘はしたたかやったね。一人ひとりがしっかりしているから簡単には崩れない」と口にしたように京都橘の勝負強さが目を惹く試合だった。
最初に決定機を迎えたのは選手権予選のリベンジを狙った洛北。前半2分にスルーパスから、MF小宮光貴がゴール前に抜け出したが、懸命に右手を伸ばしたGK西川駿一郎に封じられ、シュートを打ち切れない。以降もFW中村匡克へのロングボールやMF清水駿介と小宮の両翼による突破によってチャンスを伺ったが、「守備の時は5バックになるので、あまりやられる気がしなかった。一人ひとりがやることをやれたと思う」とDF李明賢が胸を張ったように、京都橘の3バックがきっちり跳ね返し、ピンチを回避した。
対する京都橘はボール奪取から素早く前線に攻撃に転じ、好機を伺う。9分にはFKのこぼれ球を拾ったMF芳仲一真が左サイドからクロスを展開。一度は相手DFに弾かれたものの、芳仲が再びルーズボールを拾うと、ボールを受けたMF土井翔太が左サイドの角度ない位置からシュートを狙う。前半終了間際にも左サイドでのFKから李がヘディングシュートを狙ったが惜しくもクロスバーに阻まれてしまった。
後半も拮抗した展開が続く中、9分には京都橘にチャンス到来。李のパスカットから自陣中央の相馬、前線のFW吉田宗太郎と繋ぎ、PA右へスルーパス。右サイドからMF大塚陸が懸命に走り込んだがわずかに合わない。洛北も積極的に交代カードを切って1点を狙いに出たものの、ゴールネットを揺らすことができず試合は延長戦に突入した。
延長戦で躍動したのは後半30分にピッチへと送り込まれた京都橘のFW青木海人だった。まずは延長前半4分にDF川村智哉の縦フィードに前線で反応すると、持ち前のスピードでゴール前に抜け出し、エリア左からループシュート。延長後半9分にも高い位置で相手DFからボールを奪うとそのままGKとの1対1に持ち込んだが、またもやゴールネットを揺らすことができない。「うちの選手はシュートをふかしてばかりやったんで、PKになったらヤバいなって思っていた」。米澤監督がそう振り返ったように誰しもがPK戦での決着を頭に浮かべたが、延長後半アディショナルタイムに歓喜の瞬間が訪れた。MF山中啓生が左サイド高い位置から、ゴール前にロングスローを入れると李がヘッドで反応。ゴール前にこぼれたボールを「怪我明けで、これまではずっと応援。試合に出るのは決勝からだったのでアピールの意味でも、僕が決めてやろうと思っていた」という吉水がゴール左隅に流し込み、勝負あり。直後にタイムアップの笛が響き、京都橘が勝利を掴んだ。
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