岩渕涙の理由「いろんな感情はありました」…次世代リーダーの自覚
ゲキサカ / 2016年3月10日 8時46分
[3.9 リオ五輪女子アジア最終予選 日本1-0北朝鮮 金鳥スタ]
溢れる涙をこらえることが出来なかった。笑顔を作ろうとしても自然と涙が流れた。「このメンバーで戦う最後の試合だったので」。声を震わせながら答えた場内インタビュー。ミックスゾーン(取材エリア)では先輩たちの多くが、佐々木則夫監督の去就などについて「聞いていません」と口をつぐむ中、FW岩渕真奈は「いろんな感情はありました」と素直な胸の内を打ち明けた。
「五輪に行けなかった申し訳なさと、最後なのかなと想像したら涙が出てきちゃいました。いろんな情報が耳に入ってきていて、ノリさん(佐々木則夫監督)のためだったりという気持ちはありました。やんちゃな時からお世話になっている先輩たちばっかりだったので、いろんな感情はありました」
新星として注目を集めるFW横山久美は同じ1993年生まれ。しかし今月18日で23歳を迎える岩渕だが、2011年のW杯優勝やロンドン五輪銀メダルを獲得するなど、同世代では頭一つ抜けた経験値を持っている。ユース年代から期待され続け、日本女子代表(なでしこジャパン)には飛び級で選出され続けてきた。
「わがままな自分の面倒を見てくれた。今の上の人たちは全員そうですけど、若い時からお世話してくれている先輩たちなので、自分もああいう風になりたいなと思うし、感謝しかないです」
なでしこジャパンは自分たちの世代が引っ張っていかないといけないこと、もちろんそのためには自分が先頭に立たなくてはいけないことは分かっている。次世代リーダーとしての自覚。「ピッチ外の信頼もピッチに繋がると思う。次はどういうチームかわからないですけど、ピッチの中でも外でも引っ張っていけるような存在になりたい」。“マナドーナ”の覚醒が、なでしこジャパン世界一奪還への第一歩になる。
(取材・文 児玉幸洋)●リオ五輪女子アジア最終予選特設ページ
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