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憲剛の最新本を立ち読み!「史上最高の中村憲剛」(9/20)

ゲキサカ / 2016年4月23日 7時30分

憲剛の最新本を立ち読み!「史上最高の中村憲剛」(9/20)

 川崎フロンターレのMF中村憲剛の南アフリカW杯から現在までの5年半を描いた『残心』(飯尾篤史著、講談社刊)が4月16日に発売となった。発刊を記念しゲキサカ読者だけに書籍の一部を公開! 発売日から20日間、毎朝7時30分に掲載していく。

めぐってきたチャンス<上>

 4日後の対戦相手は、初戦でメキシコを2-1で下したイタリアである。

 2戦目に臨むにあたり、メンバー変更は最小限に留められた。ブラジル戦にセンターフォワードとして出場した岡崎慎司が従来の右サイドハーフに戻り、清武弘嗣に代わって前田遼一が1トップのポジションに入った。

 万全の準備をしていた中村だったが、先発出場への期待は抱けずにいた。紅白戦ではずっとBチームに入り、イタリアのキーマン、アンドレア・ピルロの役割を演じさせられていたからだ。

 しかも、ブラジル戦では2点ビハインドの状況で、遠藤保仁に代わって守備的ミッドフィールダーの細貝萌が投入されていた。

「負けているのにハジ(細貝)が投入されるし、圭佑がいなくても真司がトップ下に入る。だったら、どうすれば、出られるのか……」

 そう思いながらも集中を切らさず、準備していたことが評価されたのか、イタリア戦でめぐってきた出場機会は、珍しいケースだった。

 前半21分、本田圭佑のPKで先制した日本は33分に香川真司のゴールでリードを2点に広げた。しかし、41分、後半5分、7分と立て続けに失点し、逆転されてしまう。

 それでも24分、岡崎が渾身のヘッドで同点ゴールを決めたが、41分に4失点目を許し、3-4のスコアで後半のアディショナルタイムに突入する――。

 中村が投入されたのは、そんな時間帯だった。

 1点ビハインドの残り2分で起用されるケースは、これまでにないものだった。しかも、長谷部誠に代わってボランチで――。

 やるべきことは、ひとつしかなかった。

「マイクが出ていたし、ボールに触れるチャンスは1回ぐらいしかないと思っていた」

 左サイドでボールを受けると、すぐさまゴール前で待つ身長194センチのハーフナー・マイクに向けてクロスを放り込んだ。

 だが、これはゴールキーパー、ジャンルイジ・ブッフォンのパンチングによってコーナーキックに逃れられてしまう。

 タイムアップの笛が鳴ったのは、その1分後のことだった。

「今日に関して言えば、そこまで大きな差はないと思うんです。それが大きな差っていう人もいるでしょうけど、日本が勝った可能性もあるわけで。みんな、手応えは感じていると思います。やれた分だけ、ショックが大きいです」

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