U-23を離脱しA代表合流の浅野、初対面の欧州組は「テレビで見たまんま」

　日本代表に招集されたFW浅野拓磨(広島)が27日、羽田空港着の航空機で帰国し、そのまま千葉県内で行われている事前合宿に合流した。

　A代表に初選出された昨年8月の東アジア杯以来の代表復帰だが、当時は国内組のみで臨んだ大会だった。欧州組とはこの日が初対面。「この練習場が顔合わせ」というFW本田圭佑(ミラン)、MF香川真司(ドルトムント)、FW岡崎慎司(レスター・シティ)、FW原口元気(ヘルタ・ベルリン)の4人にピッチ上で挨拶し、一人ひとりと握手をかわした。

「まだまだ全然しゃべってない。印象?　テレビで見たまんまです。挨拶しただけです」。初々しい表情を見せる21歳にハリルホジッチ監督は「今日の夜、歌を歌えよ」と“無茶ぶり”。これには「夕食の前にそういう行事があるのか分からないけど……」と戸惑いを隠せず、苦笑いを浮かべていた。

　U-23日本代表としてトゥーロン国際大会に出場していたが、ハリルホジッチ監督が早期合流を希望したこともあり、最終戦を待たずに途中離脱。同じくA代表に招集されながら現地に残ったMF大島僚太よりも一足先に帰国した。

　U-23代表チームを離脱する際には手倉森誠監督から「頑張ってこい。頼んだぞ」と激励されたという浅野は「この年代から来る一人の選手として、恥じないようにプレーしたい」と意気込みを口にした。

　ハリルホジッチ監督も「日本国内で唯一、背後に動き出せる選手」「2、3年後のことを考えて彼を選んでいる」「まだ21歳で、ゴールゲッターになる要素がそろっている」と大きな期待を寄せるスピードスター。「自分の特徴は監督が言うとおりのものだと思う。そこに対する自信は、このグループに入ってもある。自信を持って積極的にプレーすれば、通用する自信はある」と、海外組も含めた初の“フル代表”で存在感を示すつもりだ。

(取材・文　西山紘平)