「東京五輪への推薦状」第19回:通なら分かる、“もう一人の凄い奴”。市船DF原輝綺はちょっと上の世界へ
ゲキサカ / 2016年7月15日 18時55分
2020年東京五輪まであと4年。東京五輪男子サッカー競技への出場資格を持つ1997年生まれ以降の「東京五輪世代」において、代表未招集の注目選手たちをピックアップ
今季の市立船橋高には“目玉”と言える選手がいる。キャプテンマークと堅守の伝統を象徴する「5番」を預かるDF杉岡大暉だ。新シーズンの開幕に前後して、U-19日本代表候補にも名を連ねる逸材の視察に訪れるJリーグのスカウトは後を絶たなかった。「でもね」と言った朝岡隆蔵監督は、こう続けた。「目のいい人たちはすぐに気付くんだよ。杉岡の隣に、同じくらい良い選手がいることに」。
その選手の名を、原輝綺と言う。昨年から出場機会を得ている選手だが、そこまで図抜けた存在感があったわけではない。特別なスピードや高さ、あるいは左足のロングフィードやキレのあるドリブルのような武器がなかったからかもしれない。献身的でクレバーなプレーぶりは目を惹いたものの、注目を集めるには至らなかった。ただ、夏を越えて冬に至ってからの進化は、一部の関係者の間で話題にはなっていた。「原、伸びてるな」と。
思えば市船に来てからの原は、まさに「伸びた」選手だった。東京の名門クラブ・AZ’86青梅ではFWやトップ下など攻撃的な位置の選手として活躍していたのだが、意気揚々と臨んだ市船では「最初は本当に下のほうからのスタート。全然通用しなかった」と苦い表情で振り返る。名門の門戸を叩くのは、一騎当千の選手たちで、中には中学時代に日の丸を付けたことのあるような選手もいる中で、東京から来た選手のプライドは砕かれた。
「1年のときは周りが本当に上手くて……。自分が全然ダメなんだと思わされてばかりだった。一回、(心が)折れました」
そう率直に振り返るが、しかし折れたままではいない芯の強さがあるのが原輝綺である。
「だって親がお金を払ってくれてここに通わせてもらっていますからね。ここで折れて手を抜いたら、親に失礼だと思った。もちろん、自分の夢もありましたから」
まずは自分が上手くないことを受け入れた。コーチからポジションを下げることを提案されても「悔しさとかはなかった」と言う。市船で生き残るためにはやるしかない。「与えられた位置でとにかく一所懸命にやってみることだけ考えました。次はここか。今度はこっちかという具合にいろいろやりながら段々ポジションが下がって、最後は3バックのセンターになっていた」。
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