[MOM1913]中央学院MF児玉駿斗(3年)_誰よりもDFをいなして会場沸かせた注目MFが“3アシスト”
ゲキサカ / 2016年10月11日 8時46分
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.10 全国高校選手権千葉県予選決勝T1回戦 中央学院高 3-1 東海大市原望洋高 中央学院大学つくし野総合G]
今年の千葉県予選で最も観衆を沸かせるかもしれない。それほどのスキルと旺盛な攻撃姿勢を持つMFだ。中央学院高はMF児玉駿斗主将(3年)が魅せて、“3アシスト”。浜田寛之監督が「元々スロースターターの子なんで。アイツは強いチームになればなるほどエンジンかかってくる」と苦笑したように、前半は開始1分に左FKからFW大野雄大(3年)の先制点を演出し、その後も再三ドリブルでDFを剥がしてシュートへ持ち込んでいたものの、ミスパスや東海大市原望洋高の好守によってインターセプトされたり、やり切れない部分があった。
だが、後半開始直後に同点に追いつかれると、左サイドから緩急をつけたドリブルでDFのマークを次々と外して右中間まで運び、右足シュート。ギアの一段階上がった動きで相手ゴールヘ襲いかかった。テクニックに自信があるからか、足元のボールに目をやることは非常に少なく、常に視線を高くした状態で攻撃をコントロールし、前に進むためには“目の前の選手を剥がせばいい”と言わんばかりにその上体の動きや絶妙なボールタッチでマークを外してボールを前進させていく。
そして後半15分には「右見ててアイツ走ったなと思った」と背中越しに見えたFW清野英国(2年)の動きに呼応して絶妙なスルーパス。これを清野が決めて勝ち越し点となった。児玉は30分にも左サイドのゴールライン際でボールを持つと、前をDF2人に遮られながらも「ちょっと見せようかなと。取りに来なかったので」と巧みなステップからDFをわずかに外してクロスを上げきり、CB岩永陸弥(3年)のゴールをもたらした。
大阪のLEO SC時代はパサーだったという児玉。この日は3点を演出したパスでももちろん輝きを放ったが、そのドリブルで誰よりもDFをかわし、誰よりスタンドを沸かせていた。過去に対戦した全国トップレベルの強豪についても自信のコメント。悲願の全国出場に挑戦する今大会へ向けては「普段どおりやれば行けると思うんで。相手嫌がっているなとか、引いているなと思ったら行ける。『ドリブル取れへん』と相手言ったら勝ちかなと。(個人的には)自分、今トップ下やっているんですけど、狭いところでもらってスルーパスとか。みんな身体デカいと思うんでそこで細かくやれれば行ける」
信頼感の表れかテクニシャン揃う中央学院の中でも、ボールは特にキャプテンマークを巻いた背番号7に集まる。本人も「自分が行き始めるとみんな乗り出す」と自覚しているように、自身のプレーがチームを勢いづけることを理解している。だからこそ、止められる訳にはいかない。今年はチームとしてなかなか結果が出ていなかったが、選手権予選の決勝トーナメントは好発進。「関東大会もインハイもすぐ負けてリーグ戦も勝てていなかった。公式戦難しいのは分かっていたので(チームは)最後まで集中してできた。次は八千代なんですけど普段通りやれば相手も嫌がると思う。こっちのペースでやれれば。試合通して集中できればいい」。歴史を変える準備が「もちろんです」と言い切ったテクニシャンが、今大会、誰より会場を沸かせてチームを勝たせる。
(取材・文 吉田太郎)▼関連リンク
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