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[AFC U-16選手権]U-16日本代表、森山佳郎監督が選手たちに包み隠さず伝えた強烈な「愛の言葉」

ゲキサカ / 2016年10月12日 15時9分

[AFC U-16選手権]U-16日本代表、森山佳郎監督が選手たちに包み隠さず伝えた強烈な「愛の言葉」

 最後まで森山佳郎監督らしいコメントだった。

「選手も、スタッフも最後の挨拶で『もう一回このチームで世界と戦いたい』という話は出ましたが、だったらアジア最終予選を経験したからこそ、『やっぱり抜かれなかったね』と言われる活躍と成長を見せて欲しいなと思います」。

 森山監督率いるU-16日本代表はAFC U-16選手権でベスト4に入り、17年のU-17W杯出場権を獲得。森山監督は準々決勝でUAEを1-0で破り、U-17W杯出場権を掴んだ選手たちの功績を讃え、労いの言葉はもちろん掛けた。だが、彼ら全員が世界で戦う『確約は無い』という強烈な釘を刺すことを忘れなかった。

「意欲や戦う姿勢をどんどん見せて欲しい。『もっと俺を使え!』、『何で俺を出さねぇんだ』という姿勢は大事」と、チーム立ち上げからインドの決戦の日々に至るまで、森山監督は一貫して選手たちの闘争心とチーム内競争を煽り続けて来た。

 第2戦のキルギス戦では、試合当日に前日までレギュラー組だったMF上月壮一郎と、サブ組だったFW久保建英を入れ替えるなど、選手起用でもその姿勢を打ち出した。さらにそのことについて問われると、「(上月は怪我などの)アクシデントではなく、『言われて動くような選手は出さない』ということです。このピッチに立つには心と身体も100%準備していないと出さないだけの話。久保をサブ組で出したときに、『なんだよ、俺を出せよ』と言うのが一番伝わって来たので、『じゃあ出そうか』と思って出しました」と、他の指導者なら言及を避けるところを、包み隠さずはっきりと口にした。

 そして、グループリーグ第3戦のオーストラリア戦では、「オーストラリア戦は出ていない選手を使う。そこで出ていた選手が『俺は関係ない』という顔をしていたら、絶対に許さない」と主軸組にも釘を刺すことを忘れなかった。試合は奮起した上月の2ゴールなどによって6-0で快勝。チームはグループリーグ3連勝と勢いに乗ったまま世界切符を懸けた準々決勝へ臨むこととなった。

 そしてUAEに勝利して世界切符を獲得。それでも続く準決勝でイラクに敗れて「アジア制覇して世界へ」という目標を果たすことはできなかった。「かなり注目された中、お褒めの言葉を頂く中、(準決勝の)イラク戦は『いやいや、お前ら全然だろ』という部分で、選手達にはいろんな宿題が出た。『こんなんじゃまだまだ世界じゃ通用しないよ』という認識も生まれたのは、この敗戦における大きな一撃だった。でも、それはポジティブに捉えられる要素だと思います」。

 世界の切符を掴みとったからOKではない。掴みとったからこそ、選手達が目指さなければならないのは『世界』と、目標は一気に跳ね上がった。さらにこれからは一次予選以降、追加で呼べなかった2000年1月~8月生まれの選手達も招集することができる。そこで必ず新戦力は台頭して来る。そうなると当然、今の最終予選メンバー全員がU-17W杯に出場できる保証は一切無いし、レベルが上がらなければ、その競争にすら入れなくなるのは必然だ。

 森山監督の言葉は、それを選手達に包み隠さずに伝えることで、奮起と成長を促している強烈な『愛の言葉』なのだ。

「這い上がってこい!」、「俺についてこい!」。そして「将来、日本を背負う存在になれ!」――。

 言葉の節々に籠められた強烈な愛の言葉。熱血漢の森山佳郎の指導者としての真骨頂はそこにある。

(取材・文 安藤隆人)▼関連リンク
AFC U-16選手権インド2016特集ページ

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