[MOM1933]浜松開誠館MF今泉富(3年)_精度でゴール演出した10番、泥臭い守備でもリズム生む
ゲキサカ / 2016年11月4日 15時13分
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.3 全国高校選手権静岡県予選決勝T1回戦 清水東高 1-4 浜松開誠館高 藤枝市民G]
上手く、よりも泥臭く――。浜松開誠館高の10番はトップ下の位置から自慢のキックでボールを的確に動かす司令塔だ。MF今泉富(3年)は前半8分、相手の隙を逃さずにFKから素早いリスタート。正確なミドルパスを右オープンスペースへ落とすと、これがMF三浦倭(2年)のダイレクトでのクロス、MF鈴木理久(3年)のスライディングシュートへ繋がり、先制点となった。
前半32分にも正確な右CKでFW高岡廉(2年)の頭へボールを通してアシストした今泉は、後半22分にも中盤でのボール奪取から左サイドへスルーパス。FW中村元昭(3年)が上手くスルーしたことで抜け出したMF神田修愛(3年)が左足でゴールを破り、4-1となった。
司令塔として判断の良さと精度を発揮して快勝に貢献した今泉だが、同時に目立っていたのが守備面だ。青嶋文明監督も「実はディフェンスがいい。前で取るのが上手い」と説明していたが、この日はボランチとしてプレーしていた終盤含め、清水東高のパスワークに対応して見事なインターセプトを連発。相手の流れを断ち切って攻撃に繋げていた。
その今泉は元々守備を得意としていた選手ではないのだという。「中学の時はそういう選手じゃなかったんですけど、高校になってそこは磨かないといけないと思ってやってきました」。元々攻撃面での評価をされていた今泉は、試合に出るためにハードワークすることと守備面を磨くことに注力。小柄で決して身体能力の高い選手でもないが、予測、反応、そしてステップのところにこだわって成長を目指してきた。
それが現在、自身の武器と言えるものとなり、「キックは誰にも負けていない。それを活かせないと出ている意味がないと思う」というキックを含めて、トップレベルでの試合で差を生み出す存在となっている。一見、技術の高さが目立つMFだが、同時にピッチで表現している泥臭さ。「監督にも『泥臭くやる選手だ』と言われている。足元とかじゃなくて、そういうところでリズムをつくろうというのは、この選手権も含めて個人としては凄く意識して臨んでいる」
目指す姿は「香川選手とマスチェラーノ選手を合わせたような選手がいいなと思っています。ハードワークができて、オン・ザ・ボールでもそういうプレーができるように」という今泉。将来の目標はプロで活躍することだ。「小さくてもプロでやっている選手はいるので、大学でオン・ザ・ボールのところの精度を高めて、守備のところを継続して努力して、プレーの精度が上がってくればプロにも行けると思う。プレーの精度にこだわっていきたい」。今は選手権での浜松開誠館の全国初出場に集中。「あと3つ、一戦必勝で勝つしか無いと思う。謙虚に次の試合に切り替えて良い準備して強いメンタルで勝ちたいと思います」と力を込めた。
(取材・文 吉田太郎)▼関連リンク
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