[SEVENDAYS FOOTBALLDAY]:大将の器(関西学院大学・成山一郎監督)
ゲキサカ / 2016年12月15日 0時48分
東京のユースサッカーの魅力、注目ポイントや国内外サッカーのトピックなどを紹介するコラム、「SEVENDAYS FOOTBALLDAY」
いつも侍のような人だと思っていた。その戦国武将を思わせるような名前そのままに、真っすぐ簡潔な言葉で理路整然と話す姿を見て。いつも侍のような人だと思っていた。90分間微動だにせず同じ体勢を保ち、テクニカルエリアで仁王立ちしている姿を見て。ゆえにその理由を聞いた時、全てが腑に落ちた。「大将の器か、否か」。これが成山一郎という男の根幹である。
2010年。成山は32歳の若さで伝統ある関西学院大の監督に就任する。前任の指揮官は日本屈指の名将として知られる加茂周。あまりに偉大な前任者の後継という意味で、大きな重圧を感じていたのではないかという疑問を、成山はあっさり否定する。「プレッシャーはまったくなかったです。そこがやっぱり加茂さんの凄さというか、ちゃんと優勝して戦力を残した状態で僕に引き継いでくれて、1回監督を降りたとなったら一切現場に介入されなかったですし、結果が出ない時は逆に一杯やりながら、特にサッカーの話をする訳でもなく励ましてくれたりとか、感謝こそすれどもやりにくさのようなものは一切なかったです」。そんな加茂を成山はこう評する。「監督とかリーダーとか、そういう言葉で括れないんですよね。表現するのだったら“大将”とかそっち側の表現の方で、男が惚れる男というか、“器”の大きさというか、どんな相手でもどんな状況になってもドシンと構えていて、それは本当に凄い人だなという風に思いました」。確かに加茂には“大将”という表現がふさわしいように思える。ヘッドコーチとして加茂の下で過ごし、「本当に鍛えてもらった」という3年間は、成山にとってかけがえのない時間になっている。
就任初年度は7位だったリーグ戦の順位も、年を追うごとに5位、4位、3位と少しずつ上昇していく。2014年は飛躍の年。夏の総理大臣杯で全国ベスト4に輝くと、リーグ3位で臨んだインカレも相次いで強豪をなぎ倒し、創部以来初となるファイナルまで辿り着く。相手はやはり初戴冠を狙う流通経済大。ただ、関西学院大が押し気味に進めたゲームは、1点に泣く格好で準優勝に終わる。試合後の会見で成山は「優勝に届かなかった理由は中野監督(流通経済大監督)と私の、男の“器”の差なんじゃないかなと思います」と前を見据えて言い切った。相手の監督との“器”の差、すなわち“大将の器”の差。十分な結果を残したように見えた1年の締め括りに、成山は自身の“器”へ敗因を求めた。
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