[新人戦]連日のマンツーマンマークで無得点、準V。神村学園の注目エースFW高橋「あれを崩していかないといけない」
ゲキサカ / 2017年2月14日 12時35分
[2.13 九州新人大会決勝 長崎総合科学大附高 3-1 神村学園高 佐賀県総合運動場陸上競技場]
長崎総合科学大附高の名将、小嶺忠敏監督をして「放っておいたら、3点くらい取られますよ」というほどの“危険なストライカー”。今大会は準々決勝・筑陽学園高戦でハットトリックを記録するなどJスカウト陣の視線を釘付けにする活躍を見せていた。だが、準決勝の大津高戦に続き、長崎総科大附との決勝でもマンツーマンの徹底マーク。神村学園高FW高橋大悟主将(2年)は無得点で準優勝に終わり、悔しさを滲ませていた。
この日は長崎総科大附のエースキラー、DF嶋中春児(2年)とマッチアップ。嶋中は時にボールから完全に目を切って、ボールの動きを背にしてでも高橋を視界の中に収め続けて射程圏内に捉え続けていた。嶋中は高橋がボールと反対サイドのタッチラインにポジションを取ればついて来て、オフサイドの位置にいてもそこに寄って来ていたほど。その執拗なまでのマークもあって高橋は不発に終わった。
前日も苦しんだマンツーマンマーク攻略法として、「タイミングだけを考えて、一瞬の動きで離す。一瞬のスピードでは負けない自信があるのでそこで勝負することを考えていた」という高橋は動き出しを意識し、スペースへのパスや自分の近くに落ちるセカンドボールを狙い続けていた。
前半24分にはスルーパスで抜け出してGKと1対1となったほか、ボールを持てば鋭い仕掛けでゴールへ迫ったが、その数はわずか。DFが隣にいる状況でもパスを要求するようなことはできず、「もっと自分で呼び込めるようになれば、背負ってもいいから『オレに出せ』と言えるようになれば。そういうメンタル的な部分も技術的にもまだ。心の中では思っているんですけど、考えてしまうことが多くあるので、なかなか上手くいかない」と課題を口にしていた。
前半終了間際、6人が絡む混戦で倒れたところに、偶然相手選手の膝が口元から喉にかけてヒット。試合後、その影響でかすれていた声で注目エースは語った。「昨日もそうでしたけれど、あれ(マンツーマンマーク)を崩していかないといけない」。今後も続くだろう徹底マークを振り切ってゴールを決めるまでに成長しなければ、チームを全国へ導き、年代別日本代表で活躍するなどの目標に近づくことはできない。神村学園は今大会途中の負傷によって欠場したMF山中映人(2年)ら、決勝では主力候補の数人が不在だった。その中で九州準優勝を果たすなど高橋だけでなく、チームの伸びしろも十分。この日、相手のハイプレスの前に敗れたチームは、課題克服を誓った高橋を筆頭に個々、チームで成長を遂げて九州、全国を制す力をつける。
(取材・文 吉田太郎)
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