[プリンスリーグ四国]注目MF藤原志龍が圧倒的な存在感。徳島ユースが松山工に4発快勝
ゲキサカ / 2017年4月30日 7時39分
[4.29 高円宮杯プリンスリーグ四国第4節 徳島ユース 4-1 松山工高 徳島スポーツビレッジ]
高円宮杯U-18プリンスリーグ四国は29日に第4節を開催。ともに負けなしを維持する徳島ヴォルティスユース(徳島)と松山工高(愛媛)の一戦は、MF前田波嶺(3年)の先制点を皮切りに4点を奪った徳島ユースが4-1で勝利した。
2年生ながら徳島のトップチームに2種登録される注目株、MF藤原志龍が圧倒的な存在感を見せつけた。徳島ユースは序盤から持ち前のパスワークで試合を支配すると前半20分には右サイドを突破したMF前田がPA内で倒され、PKを獲得。MF桒原呂偉(3年)のキックはGK伊藤元太(2年)に阻まれたが、こぼれ球を前田が押し込み、先制に成功した。しかし、直後の24分には自陣で相手を倒してしまい、PKを献上。これをFW石井隆之介(3年)に決められ、試合は振り出しとなった。
ここまでの藤原は「スピードに相手がついてこれてなかった」と振り返るように、持ち前のドリブルで見せ場を作りながらも、前半29分に訪れた決定機を外すなど試合を決めるような活躍はできずにいた。しかし、前半終了間際には、切れ味鋭い突破で左サイドからゴール前に侵入。PA内に入ってから3人に囲まれてバランスを崩しながらも強引にクロスを上げ切るなど、キラリと輝く場面も多々、見られたのも確かだ。
そして後半、その輝きは更に増していく。13分にはPA左手前でチームメイトが獲得したFKのキッカーに名乗りを挙げると、低い弾道で蹴り込んだシュートが味方に当たりながら、ゴールネットに吸い込まれた。28分には、MF山田誠人(2年)のパスを左CK付近で受けると、「キーパーが前に出ていたのが見えたので、誰かが触れば入るかなと思い、フワッとしたボールを入れた」というクロスが直接、ゴール。以降、チームは「選手にはいつも、『相手をあえて走らせて、心まで折ってこい』と伝えている」という羽地登志晃監督の指示通り、攻撃の手を最後まで緩めず、試合終了間際にもFW岩佐瞭希(2年)が加点し、4-1で試合を終えた。
この日のヒーローは2点を奪った藤原で間違いない。中学3年生の頃からユースで定位置を確保。中学卒業後は高体連へと進んだチームメートもいたが、「中学から全国大会に出させてもらっていたし、ヴォルティスでプロになるには、ユースに進むのが一番だと思った」と昇格を決意した。ユースに上がってからは筋トレにも注力したことで、体重が5キロアップし、当たりにも強くなった。トップチームに2種登録された今季は、練習参加する機会も多い。大人を相手にすると、まだ体格差やプレースピードの違いに苦しむ場面もあるが、「ドリブルは通用するので、もっと磨いていきたい」と話すように手応えも掴んでおり、早期のプロデビューも期待されている。
プリンスでは開幕から2試合に出場し、2得点2アシストを記録。この日は、「もっと決めるべき所もあった」と反省しつつも、きっちりエースとしての仕事を果たした。ただ、羽地監督は能力の高さを認めながらも、「僕らもワクワクしながら、見ているけど、もっとできると思うし、やって欲しい。ボックス内で相手をはがせるけど、はがした後のスルーパスやフィニッシュの技術がまだ足りない」とコメント。手放しで褒めないのも、期待の表れだ。
今季の目標は「1日でも早く、トップチームで試合に出たいし、プリンスでは得点王を狙っていきたい」。ユースで今後も着実に結果を残すことで、目標を叶えるつもりだ。
(取材・文 森田将義)●2017 プリンスリーグ四国
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