「東京制覇」目標に掲げる都立勢・狛江は2次予選進出王手も喜び控えめ。最高の準備をして前年度代表校との大一番へ
ゲキサカ / 2017年5月21日 9時56分
[5.20 全国高校総体東京都予選1次予選2回戦 狛江高 2-1 明大明治高 清瀬内山G]
平成29年度全国高校総体「はばたけ世界へ 南東北総体2017」サッカー競技(宮城)東京都予選は20日、1次予選2回戦を行い都立勢の狛江高が明大明治高に2-1で勝利。シード校を含めて10チームが参加する2次予選進出へ王手を懸けた狛江は、27日の1次予選決勝で前年度全国出場の東海大高輪台高と戦う。
13年度選手権予選で都8強入りしている狛江は前半4分、CKからCB嶋田泰志(3年)が競り勝ち、最後はMF松林大斗(3年)が押し込んで先制点。序盤のゴールによって流れよく試合を進めた狛江はハイサイドへ飛び出すFW米山龍成主将にMF鈴木怜児やMF廣瀬秀太(全て3年)が絡む攻撃で2点目を狙っていく。
対する明大明治は明治大やJ3盛岡の指揮を執ってきた神川明彦監督が今年1月末からチームを指導。短い準備期間の中で技術レベルの向上に取り組んできたというチームは個々がしっかりと面を作りながらボールを受けて、動かして反撃。司令塔のMF粂谷直哉(3年)を中心に縦横へボールを動かし、突破力秀でたFW目黒大樹やFW松尾裕太(ともに3年)がシュートシーンを作り出した。
後半、狛江はMF鈴木凛(3年)のドリブルシュートや、鈴木怜のスルーパスから米山がシュートへ持ち込むなどチャンスをつくるが、より勇気を持ってボールを繋いでいた明大明治のペースに。11分にはカウンターから左オープンスペースを突いたFW石原淳朗(2年)のパスで目黒がGKと1対1にとなった。だが右足シュートは左ポストを直撃。同点に追いつくことができない。
逆に狛江は21分、PAのルーズボールに頭から飛び込んだMF横山颯大(3年)がPKを獲得。これを米山が右足で決めて2-0と突き放す。明大明治も27分に松尾のスルーパスから目黒が右足で決めて再び1点差に。34分には目黒がチャンスを迎えるなど攻めた明大明治だったが、長山拓郎監督が「相手よりもしっかり走ったり、粘り強くやろうと意識している」という狛江は嶋田と大森直斗(3年)の両CBを中心とした守りで反撃を封じて2-1で競り勝った。
「東京制覇」という本気で掲げている目標へ一歩前進する勝利。だが、狛江イレブンは試合後、喜びを爆発させることなく、淡々と整列と挨拶を行っていた。主将の米山は「明大明治さんの方が走っていましたし、自分達も走ってきたんですけどまだまだ全然足りないところもあって。自分としても全然仕事もできなかったというのもあったので……」と反省の弁。「チームとして東京制覇という目標を立てていてまだまだこんなところでは負けられないという思いを全員が持っている」(米山)という狛江は大一番となる東海大高輪台戦へ向けて“このままではいけない”という思いを抱いていた。
喜びが控えめだったもう一つの理由は、支部予選決勝で全国出場歴を持つ国士舘高にPK戦で勝利した際に、運営補助の選手までピッチに飛び出すなど“喜びすぎて”怒られた経験があったからだという。だが、この日は暑さもあって長山監督が「もっとガンガンにプレスして、もっと後ろから追い越したりする」という強みを出せなかったことも確か。納得の行く勝利ではなかっただけに選手たちは大一番までの一週間、より努力して、最高の準備をして、前年度代表校に挑戦する。
(取材・文 吉田太郎)●【特設】高校総体2017
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