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[SEVENDAYS FOOTBALLDAY]:ゼブラ軍団の“心臓”(成立学園高・菅原克海)

ゲキサカ / 2017年6月2日 21時8分

成立学園高MF菅原克海。(写真は大成高戦)

東京のユースサッカーの魅力、注目ポイントや国内外サッカーのトピックなどを紹介するコラム、「SEVENDAYS FOOTBALLDAY」

「彼は言ったことを必ず実践しますから」。成立学園高を率いる宮内聡監督は厚い信頼を口にする。「ずっと公式戦に出ていることもそうですし、たまに監督と1対1で話したりもするんですけど、そういう時に信頼を感じます。『もう自分が中心になってやれ』みたいな感じで言ってくれるので、自分に自信を持ってできますね」。今シーズンからトップチームに定着した小柄なボランチ。指揮官やチームメイトからも一目置かれている菅原克海は、東鷲宮のゼブラ軍団の中で日に日に存在感を高めている。

 総体予選一次トーナメントHブロック決勝。勝てば10チームで争われる二次トーナメントへの進出権を得られる一戦で、成立学園は難敵の駒場高と対峙する。「入りは悪くなくて、ずっと自分たちのペースでやっていた」と菅原も振り返ったように、ゲームリズムを掴んでいた中で、前半30分にセットプレーのこぼれ球を蹴り込まれて先制を許す。

「前半はまんまとやられましたね」と語った宮内監督は、ハーフタイムにチームを一喝した。「クロスを上げても点を取る気があるヤツが一人もいないじゃないか」「クロスボールに泥臭く突っ込んでいくみたいなことは誰もやらないじゃないか」。その言葉は「自分も前半は『中に入れていないな』と思っていた」菅原の心に突き刺さる。

「絶対にしっかり自分が中に入って、枚数を増やしていこうと考えて」迎えた後半。開始3分にその狙いを体現する瞬間が訪れた。ドイスボランチの相方でもある鈴木皓が右からクロスを上げると、ボールが流れたファーサイドへ3列目から走り込んできた菅原が猛然と姿を現す。

「良いボールが上がって来たんですけど、トラップがちょっとおぼつかなくて、自分のスネあたりに当たって、相手に当たって、自分に当たって、みたいな感じでした」と正確に状況を言葉へ置き換えるあたりに真面目な性格が滲む。ハーフタイムの檄を受けてマークした貴重な同点弾。菅原の『相手に当たって、自分に当たった』トップチームにおける公式戦初ゴールで嫌なムードを払拭した成立学園は、その5分後に逆転弾も叩き込み、終わってみれば3-1で勝利。3年ぶりとなる全国へまた一歩近付く結果を手に入れた。

 Jクラブのジュニアユース。有名な街クラブ。実質上の下部組織に当たる成立ゼブラFC。前所属チームの欄に錚々たるチーム名が並んでいる成立学園のメンバーリストを見ると、一際目を引くのは菅原克海という名前の横に並んでいる“北中野中学校”という文字。今大会で出場機会を得ている選手を見ていくと、菅原は唯一の中体連出身である。

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