「選手たちにとって相当に感じるモノがあった試合」。U-16日本代表、0-2からの4発でアメリカに逆転勝ち!
ゲキサカ / 2017年6月17日 8時12分
[6.16 インターナショナルドリームカップ第2戦 U-16日本代表 4-2 U-16アメリカ代表 ユアスタ]
6月14日、「U-16インターナショナルドリームカップ2017 JAPAN presented by 朝日新聞」の第2戦がユアテックスタジアム仙台にて行われ、U-16日本代表はU-16アメリカ代表と対戦。2点を先行される苦しい流れとなったが、FW斉藤光毅(横浜FCユース)、DF西尾隆矢(C大阪U-18)らの得点で4-2の大逆転勝利を飾った。
第1戦に続いて4-4-2の布陣で臨んだ日本の先発メンバーは、GK北原一樹(京都U-18)、DFが右から半田陸(山形ユース)、西尾、井出敬大(柏U-18)、橋本柊哉(市立船橋高)、中盤が右から小田裕太郎(神戸U-18)、山本理仁、馬場晴也(ともに東京Vユース)、岩本翔(G大阪ユース)、そして2トップは第1戦と同じく栗原イブラヒムジュニア(三菱養和SCユース)と斉藤が組んだ。
ただ、初代表の選手も多い先発布陣は序盤からアメリカのアグレッシブな攻守の姿勢に対してチグハグなところを見せてしまう。12分にはこぼれ球を拾ったアメリカの主将、MFテイラー・ブースにミドルシュートを鮮やかに叩き込まれて速くも失点。さらに23分にはミスからボールを失うと、最後はFWステファン・ストヤノビッチに右足で流し込まれて、2点のビハインドを負ってしまった。
「0-5か0-6くらいまでいくようなペース」(森山佳郎監督)という絶望的な立ち上がりだったが、オランダとの初戦の反省を感じていた選手たちは、心理的に崩れなかった。
森山監督も37分という早い時間で決断を下し、MF谷本駿介(C大阪U-18)を左MFに投入し、岩本をボランチ、馬場をCBにスライドさせて第1戦の布陣に近い形に戻して全体の安定化を図る。この采配が奏功したことと、2点をリードしたアメリカのプレーから序盤のアグレッシブさが薄くなったことで、日本がペースを握り始める。
そして迎えた41分、細かく機動的なパスワークで米国陣内を刻んだ日本は、岩本のスルーパスから抜け出した小田の折り返しを斉藤が体を投げ出してのヘディングシュートで押し込んで反撃の狼煙をあげる。「すごく点を取りたかったので、どん欲に行った」という10番の泥臭い一撃で、試合の潮目は変わった。
後半に入っても冷静にボールを繋ぎながら相手を押し込む日本に対して、アメリカは守備の的が絞れずに「足が止まってしまった」(ショーン・ツァキリス監督)。後半13分には縦パスから力強いターンで相手DFをかわした栗原がGKとの1対1から右足シュート。これは相手の好セーブにあうも、こぼれ球を粘り強く拾って折り返すと、ファーサイドでフリーになっていた谷本が抜け目なく押し込んで同点ゴールを奪い取る。
さらに26分には左サイドで得たFKのチャンス。キッカーの谷本が送ったボールに合わせたのは、同じC大阪U-18の西尾。「自分の武器」と胸を張るヘディングでしっかり合わせ、逆転のゴールを押し込んでみせた。
その後はアメリカの猛反撃に遭う流れとなったが、西尾、馬場、半田らの守備陣も体を張って防戦。逆にアディショナルタイムには、この日ダイナミックな動きとスピーディーなドリブルで何度も観衆を沸かせてきた小田が、山本の絶妙なクロスを受けての左足シュートを流し込んで、トドメの4点目を勝ち取った。
激しい打ち合いとなった試合はこのゴールをもって終幕。「選手たちにとって相当に感じるモノがあった試合」(森山監督)を制した日本が大会成績を1勝1敗の五分に戻し、18日に行われる「今大会で一番強い相手」(西尾)であるギニア(2勝)との最終戦に優勝の可能性を繋いでみせた。
(取材・文 川端暁彦)
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