「絶対に勝つ」西尾隆矢、攻守のエアバトルでアメリカを打ち倒す
ゲキサカ / 2017年6月17日 8時8分
[6.16 インターナショナルドリームカップ第2戦 U-16日本代表 4-2 U-16アメリカ代表 ユアスタ]
上空高くジャンプした頭にボールが当たる。首をひねって狙ったのはファーサイドネット。DF西尾隆矢(C大阪U-18)が得意なプレーと語るヘディングシュートはU-16アメリカ代表GKデフレイタスハンセンの守備範囲を超えて、ゴールネットを揺らした。U-16日本代表にとってそのゴールは、0-2からの大逆転を意味していた。
「立ち上がりは相手のリズムにしてしまっていた」と西尾が振り返ったとおり、日本は序盤からアメリカにペースを握られていた。西尾自身のプレーも「調子は余り良くなかった」と語ったように、決して良かったわけではない。ミスも絡んで負ってしまった0-2のビハインドは重かったが、それでも折れることなく励まし合って戦い抜いた。
FW斉藤光毅(横浜FCユース)のゴールで前半のうちに1点を返せたことも大きく、後半からは流れが大きく日本に傾いていく。後半13分にはMF谷本駿介(C大阪U-18)の同点ゴールも生まれたが、なかなか次の1点が決まらない展開の中で迎えたFKのチャンスだった。後半26分、左サイドからのFKを蹴るのは谷本。「絶対に勝つから、セットプレーは全部俺に合わせてくれ」と要求した西尾の声に、C大阪の僚友は応える。動き出しに対して飛んできたイメージ通りのボールを頭で叩いた。「合わせるだけでした」という言葉は謙遜だろう。決して難易度の低くないパーフェクトなヘディングで、「得意なプレー」と胸を張ったのも納得の一発だった。
そこから先はディフェンスの仕事だった。猛反撃を仕掛けてきたアメリカの攻勢に対し、仲間たちとともに体を張り続ける。ロングボールやクロスボールの競り合いで持ち味を出しつつ、声も出した。攻撃陣に追加点が生まれて4-2となったスコアが動かぬまま試合終了の笛が鳴ると、西尾は力強くガッツポーズ。勝利の味を噛みしめた。
18日に行われる最終戦の相手はギニアとなる。西尾が思い浮かべるのは1年前のインターナショナルドリームカップ。今大会メンバーで唯一2年連続参加となる西尾にとって、ベンチから観ていたマリ戦の印象は強く残っている。尊敬する先輩たちがアフリカ勢特有のパワーとスピードに圧倒される様は衝撃だった。それだけに、同じアフリカ勢のギニア戦に懸ける思いは熱い。「強いのは分かっている。あの相手には強い気持ちが必要になると思うし、でも日本のサッカーをやれば勝てると思っている」。アメリカ戦で得た勢いと自信をぶつけ、西尾は「絶対に優勝する」ことを誓った。
(取材・文 川端暁彦)
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