先制アシストの筑波大MF西澤は監督とエースに感謝「僕にアシストを付けてくれた」
ゲキサカ / 2017年7月13日 3時11分
[7.12 天皇杯3回戦 筑波大2-1福岡 Ksスタ]
焦りはなかった。前半から試合の主導権を握り、後半立ち上がりには立て続けにビッグチャンスがあった。しかし、決定機を生かせず、試合は0-0のまま推移。筑波大の小井土正亮監督は「(押し込みながら勝ち切れない)よくあるパターンかなと思った」と苦笑いしながらも、「最終ライン、ボランチの選手の顔を見ていて、“こういうときこそ注意しないといけない”という表情をしていた。守備の集中力は高かったし、心配はそれほどなかった」と、冷静にピッチ上を見つめていた。
MF西澤健太(3年=清水ユース)も「ピンチもなかったし、ボールを持ってサッカーができていた。焦りはなかったし、自信を持ってサッカーができたことが結果に表れたと思う」と胸を張る。0-0で迎えた後半24分、MF高嶺朋樹(2年=札幌U-18)が左サイドに展開し、西澤が中央にクロス。マイナス気味になったボールにFW中野誠也(4年=磐田U-18、磐田内定)が体を投げ出し、ヘディングで流し込んだ。
「ちょっとマイナスになったけど、中野さんがうまく合わせてくれて、僕にアシストを付けてくれた」と照れ笑いを浮かべた西澤は4-2-3-1の左サイドハーフで先発したが、後半に入ると、中央に絞りながら流動的に動き、攻撃の起点になった。
再三のチャンスメイクが先制点につながり、「前半は自分の考えでサイドに張っていたけど、ハーフタイムに(小井土正亮)監督から『中に入ってチャンスメイクしろ』と言われて、そのとおりにプレーしたらうまくいった。小井土さん様様です」と笑顔で打ち明けた。
J3YS横浜、J1仙台に続いてJクラブ勢を3連破。大学勢としては09年度大会の明治大以来、8年ぶりの16強入りを成し遂げた。「未知の世界にチャレンジしている」と話す西澤だが、「僕らはJリーグ、さらにその先でプレーすることを目標にしている。ここで通用しなかったら、まず通用しない」と、将来のプロ入りを目指している以上、Jクラブが相手だからといって臆するわけにはいかない。「僕らがチャレンジャー精神を持たなかったら、この大会の意味はない」。3年生のゲームメイカーはどこまでも力強かった。
(取材・文 西山紘平)
●第97回天皇杯特設ページ
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