“本能のまま生きる”鹿島内定・阪南大MF山口一真「自分が成長できるチームかどうか」
ゲキサカ / 2017年8月13日 20時17分
「パススピードに驚きがありました。日本では味方に気を遣って、わざとゆっくりしたパスを出したり、パスの質にこだわって、浮かないボールを出したりしますけど。海外の選手はとにかくスピードにこだわるので質とかは関係ない。それでトラップできなかったら、そいつのせいという。そういうところを一番感じましたね」
「足りない部分はめちゃくちゃありましたけど、通用する部分もあった。たとえば通用したのはボールを持ったときに、敵を二枚、三枚はがす部分とか。あとキックの精度やミドルシュートのパンチ力も通用した。ただフィジカルや球際の強さやスピード感は全然通用しなくて、そういうところももっと伸ばしていければ、世界で戦えると思いました」
欧州クラブの練習に参加し、一番感じたのは「海外でサッカーをしてみたい」というもの。「デュッセルドルフに練習参加するまでは、海外でプレーする自分は想像できなくて、海外にいきたいという夢はあったんですけど、確実なものではなかった。それでも今回を経験したことで、より海外でサッカーをしてみたいという気持ちになりました。この先に(日本で)活躍して、そういう話があれば、いつか必ずいきたいと思っています」。
ドイツでの練習参加で刺激を受けつつ、まず日本でプロとしての一歩を踏み出すことになった。J入りを控えた大学ラストシーズンで残るは、夏の大学日本一決定戦である総理大臣杯と、リーグ戦、そして全日本大学選手権(インカレ)だ。まず目前を見つめた山口は「自分は阪南のタイトルのために戦いたい。全国に挑戦できる大会はあと2回あるので、その大会で活躍して、チームが優勝できれば、大学に来てよかったなと思えるので。そこを目指します」と力を込めた。
感覚の人、本能のまま生きる人。“問題児”と見られることもあるが、山口一真は“結果で認めさせてやる”という真っ直ぐすぎる気持ちとともに、不器用に歩みを進めてきたように見える。大学4年間で酸いも甘いも経験し、様々な人の支えを受けつつ、もがき進んできたMFは次なる挑戦の場を鹿島に決めた。ここからどんな道を切り拓くか。
(取材・文 片岡涼)
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