まるでストライカーのような動き出し。筑波大の異能派SB会津がゴール!
ゲキサカ / 2017年9月5日 18時59分
[9.4 総理大臣杯2回戦 筑波大4-2(延長)中京大 J-GREEN堺]
1-1で迎えた31分、筑波大はMF鈴木徳真(3年=前橋育英高)を起点に崩しに入る。鈴木の縦パスをFW北川柊斗(4年=名古屋U-18)が落として再び鈴木へ。そして鈴木から走り込んできた選手にラストパスが通る。入ってきたのは右SBの会津雄生(3年=柏U-18)。このパスを冷静にゴールへと流し込み、試合を動かした。
「普通のSBなら、あそこには行かないと思う」と会津が振り返ったように、まるでストライカーのような動き出しだった。戦術的な約束事でスペースをついていたのはなく、「完全に個人的な判断。監督からもそこは自分の判断で自由に行っていいと言われている」(会津)動き出しと、鈴木のイメージが合致した結果だった。
会津は「元々中盤の真ん中の選手」であり、柏U-18時代は攻撃センスを買われてウイングなどでもプレーしていた選手である。生粋のSBではないが、だからこそ「(柏U-18の先輩である)酒井宏樹さんみたいになりたいとかじゃなく、誰とも似ていないSBになりたい」と意識して取り組んできた。
「もちろん、1対1とかクロス対応とか守備の部分をおろそかにする気はありません。でも、それだけではなくて、ビルドアップで失わないでSBの位置からゲームをコントロールしていくような、そういうイメージを持ってやっている。『あのSBを観ていると面白いな』と思わせるような選手になりたい」と力説する。
手ごたえはある。この日のゴールシーンはその一例だ。「点の取れるSBが必要だという(U-17日本代表時代の監督である)吉武博文さん(現・FC今治監督)の言っていたことが分かるようになってきた。もともと点を取るところには自信を持っているし、攻撃で結果を残せる選手になりたい」という自分のイメージを、まずは総理大臣杯という全国舞台で証明していく。
「自分の中にあるSB像を突き詰めたいんです」と語る筑波大の異能派SB。そのイメージが本当に具現化されたとき、大学の先にある、さらに上のステージも見えてくるに違いない。
(取材・文 川端暁彦)●第41回総理大臣杯特集
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