退場余波で前半途中交代…大逆転負けに憲剛「無念しかない」
ゲキサカ / 2017年9月14日 2時48分
[9.13 ACL準々決勝第2戦 浦和4-1川崎F 埼玉]
憮然とした表情で報道陣の前に立ち止まった。「負けたので、特に言うことはないです」。一人退場後の前半42分に途中交代となった川崎フロンターレMF中村憲剛はそう切り出し、「あの退場がすべてだったんじゃないかな」と、1-1の前半38分でDF車屋紳太郎が一発退場となり、数的不利に陥った展開を悔やんだ。
タッチライン際でヘディングしようとしたFW興梠慎三に対し、足を高く上げた車屋の足裏が興梠の顔面をなでるように振り下ろされた。ファハド・アルミルダシ主審は迷わずレッドカードを提示。「あれで赤とは……」。そう判定に不満を示した中村は「それもACL。今まで逆もあったし……。でも、あってもイエローかなと思った」と納得しかねる表情だった。
1-1の同点で数的不利に立たされた川崎Fは中村をベンチに下げ、車屋に代わる左サイドバックにMF田坂祐介を投入した。第1戦に3-1で先勝していた川崎Fはこの時点で2試合合計4-2と、2点のリードがあった。しかし、守りに入ったチームは後半、完全に守勢に回り、後半20分にMF大島僚太も交代してからは攻め手がなくなった。
結局、後半のシュート数は0本に終わった。対する浦和には後半だけで15本のシュートを浴びせられ、3失点。1-4で敗れ、2試合合計スコアで4-5という大逆転負けを喫した。クラブ史上初の4強入りが夢と消え、采配の面でも疑問が残ったが、中村は「10人になって、相手が前がかりになって、そういう判断もあると思う」と、自身の交代について言及。鬼木達監督の判断を尊重した。
指揮官の采配に疑問を投げかけた報道陣に対しても「それは結果論。あれで守り切れていれば違う話になっていたと思う」と反論したが、「自分がいなくなってああいう展開になるのは無念しかない」と、その表情には忸怩たる思いがにじみ出ていた。
(取材・文 西山紘平)
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