柏育ちの島川俊郎「すごく幸せでした」プロ9年目で初凱旋、同期武富と“再会”も
ゲキサカ / 2017年10月1日 7時0分
[9.30 J1第28節 柏0-1甲府 柏]
遅くなった凱旋に感極まった。柏U-15、U-18で育ったMF島川俊郎はアンカーの位置で2戦連続の先発。ヴァンフォーレ甲府の一員として、プロ9年目で初めて日立台のピッチに帰ってきた島川は「すごく幸せでした」と高ぶる感情をかみしめた。
柏の下部組織出身。当時、吉田達磨監督が率いていた90年生まれの柏U-18は日本代表DF酒井宏樹(マルセイユ)やFW工藤壮人(広島)、FW指宿洋史(千葉)らを輩出した“黄金世代”。自身はトップ昇格が叶わず、09年に仙台でプロ生活のスタートを切った。しかし、J1では出場機会が得られずにJ2、J3、JFLと複数のクラブを渡り歩き、今季は吉田監督が就任した甲府に加入。徐々に出番を増やし、これが7試合目の先発出場となった。
「本当はファンに応援される側で目指していた場所。すごく幸せでした」。袖を通せなかった黄色のユニフォーム、ユース卒業以来となるホーム日立台、レイソルサポーターの声援。こみ上げてくる感情とともに全力でプレーした島川は的確な判断で攻守のバランスをとり、完封勝利に貢献した。
同期とのマッチアップも実現した。トップ下で先発したMF武富孝介も柏U-18の同期。トップ下とアンカーで対峙する場面もあり、武富は「シマ(島川)の能力、努力した結果にリスペクトがある。試合中も大きい声を出して、チームの中で重要な役割を担っているんだなと思った」と、ピッチ上での再会を喜んだ。
同じく柏U-18黄金世代の一人、天才と呼ばれた比嘉厚平は惜しまれながらも昨季限りで引退。サッカー選手でいられる時間には限りがある。その中で待望の瞬間を迎え、特別な試合を勝利で飾った島川は「攻撃はもっとやれるし、守備だけで終わりたくはない。もっとよくなれる」と貪欲に話す。上だけを見て挑戦を続けてきた苦労人はまだ志半ば。もっとよくなれる。まだ伸びしろはあると自身に言い聞かせ、可能性だけを見つめる。
(取材・文 佐藤亜希子)
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