[国体少年男子]逆境で見せた強さ。0-2から追いついた茨城県が延長戦の末、宮城県に逆転勝ち!
ゲキサカ / 2017年10月2日 7時14分
[10.1 国体少年男子1回戦 宮城県 2-3(延長) 茨城県 新居浜市営サッカー場2G]
1日、U-16年代の選手たちによって争われる第72回国民体育大会「愛顔つなぐえひめ国体」(愛媛)サッカー競技少年男子の部1回戦が行われ、宮城県対茨城県戦は茨城県が延長前半10分にFW杉山眞仁(鹿島ユース、1年)が決めた決勝点によって3-2で逆転勝ちした。茨城県は2日の2回戦で兵庫県と戦う。
照沼祐治監督(水戸桜ノ牧高)も「アントラーズスピリット、逆境に追い込まれた時の強さがある」と頷いた茨城県の勝負強さ。チームはビハインドを負っても、突き放されても変わらず、勝利だけを目指し続けた。そして、0-2の後半残り8分に1点を返し、アディショナルタイムに劇的な同点ゴール。そして、延長戦の末に逆転勝ちをしてのけた。
茨城県はトレセンリーグで未勝利と結果を残せていないが、一発勝負の国体関東ブロック予選で東京都、埼玉県という強豪にいずれも1-0で勝利。鹿島の育成組織所属、出身選手が大半を占める茨城県はこの日も逆境に追い込まれながら、照沼監督からの「これ、ひっくり返したら面白いぞ」「3-2にしたら面白いぞ」という言葉に後押しされるように強さを示して見事な逆転勝ちをしてのけた。
鹿島ユースに所属する杉山は「トップもそうですし、後半負けている状況でも最後諦めない気持ちとか、負けていても最後逆転して勝つというのがアントラーズだと思うので、それがきょう出せたので良かったかなと思います」と胸を張っていた。
前半、茨城県は宮城県の10番FW粟野健翔(仙台ユース、2年)やFW古賀楓真(聖和学園高1年)を捕まえることができず、コンビネーションからフィニッシュまで持ち込まれる展開となった。
シュートセーブやクロスのキャッチングなどゴール前で抜群の存在感を放つU-15日本代表GK山田大樹(鹿島ユース、1年)や競り合いでの強さを発揮していたCB佐藤悠(鹿島学園高2年)の好守を支えに0-0のまま試合を進めていたが、前半35分にMF佐藤 大河(東北学院高1年)の右CKを茨城県出身のCB青木想真(仙台ユース、1年)に頭で合わされて先制点を許してしまう。
宮城県は後半15分にもMF工藤真人(仙台ユース、1年)が右足PKを決めて2-0。高校1年生ながらベガルタ仙台のトップチームに2種登録されているGK小畑裕馬(仙台ユース、1年)が安定感の高いプレーでゴールを守るなど、隙のない戦いを見せていた。それでも、茨城県は後半27分、GK山田のロングキックをMF生井澤呼範(鹿島ユース、1年)が頭でそらし、これに反応した杉山が追撃ゴールを決める。
このゴールで大いに盛り上がった茨城県は、さらに攻撃の圧力を加えて宮城県ゴールへ襲いかかる。すると、後半アディショナルタイム、右SB熊田柊人(鹿島ユース、2年)の右クロスを生井澤が1タッチで合わせて同点に追いついた。
GK山田は「1点返して、『これ、行けるな』と思いました。2点目取った時も勢いがあったし、相手もこっちのペースに飲まれていた」と振り返る。勢いは完全に茨城県。交代出場のFW圷匠(水戸工高1年)の左足シュートなどで勝ち越しゴールを目指した茨城県は、延長前半10分に交代出場MF石川原憂汰(鹿島ユース、1年)からのパスを受けた杉山が足を攣らせながらもこの日2点目のゴールを奪って熱戦に決着をつけた。
茨城県は逆転で初戦突破。2回戦、その先の戦いでも逆境での強さを見せつけて、ライバルたちを上回る。
(取材・文 吉田太郎)●第72回国民体育大会「愛顔つなぐえひめ国体」特集
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