[国体少年男子]兄の背中追う神奈川県CB和田、いつか一緒にプレーし、「越えることも目標」
ゲキサカ / 2017年10月5日 7時17分
[10.4 国体少年男子準決勝 神奈川県 1-0 大阪府 新居浜市営サッカー場1G]
常に自分の目標としている場所へ進んでいく兄が目標。神奈川県CB和田昂士(横浜FMユース、1年)はチームメートたちと1点リードを守り抜いて国体決勝進出を決めた。
勝負のポイントの一つとなったのは大阪府のFW藤尾翔太(C大阪U-18、1年)とのマッチアップ。和田は「(藤尾については)中3の頃から知っていたんですけど、収める力が凄いと思っていた。無理に取りに行って入れ替わられるのが怖いと思っていたので、中盤の選手と距離感を良くして挟むことを意識していた」と対応策について説明する。
狙い通りには上手く抑えることができなかったという和田だが、それでもお互いに特長を熟知しているというCBのパートナー、小林夏生(横浜FMユース、1年)とのチャレンジ&カバーの部分を徹底するなど、藤尾をはじめとした大阪アタッカー陣に簡単にシュートを打たせなかった。
加えて、和田は登録185cmの高さを発揮。平塚次郎監督(湘南)は「日に日に自信を付けてきている」と評していたが、決して得意ではなかったというヘッドが今、和田にとって大きな武器になってきている。
ただ跳躍するだけでなく、駆け引きして相手を良い状態で跳ばせないことを意識。「上のカテゴリーに行くにつれて、強みをつけないといけないと思った」と感じ、磨いているヘッドでこの日も空中戦を制し続けていた。
和田の兄は横浜FMユースから横浜FMトップチームに昇格し、現在はレンタル移籍した山口でプレーしているFW和田昌士だ。兄からは横浜FMのCB中澤佑二のストイックさ、サッカーに全てを懸けていることなどを教えてもらい、自分も中澤のような強さをリーダーシップをつけていかなければならないと感じた。
4歳年上の兄は常に目標としている存在だ。和田は「ずっと小さい頃から自分の目標としているところに兄がいて、ジュニアユースも、ユースも、トップにも上がって日本代表にも入っていた。自分は代表にも絡めていないし、実績では兄に適っていないですけど、自分が目指すところにいつもいてくれるので感謝しています。目標とする選手です。いつかは一緒にプレーすることも目標ですし、兄を越えることも目標です」と兄の存在に感謝。兄を大きく上回る185cmの長身を持つCBはポジションこそ違うものの、常に前を行く兄をいつか越えることを目指している。
兄は13年国体で2回戦敗退し、国体のタイトルを獲得していないだけに、今回は一つ兄を上回る結果を残すチャンス。「日本一になるチャンスというのは高校生活通しても少ないので日本一は憧れるものだし、神奈川県を代表して戦うという誇りも感じてできるものだと思っています」と語る国体で頂点に立ち、自身の存在もアピールする。
(取材・文 吉田太郎)●第72回国民体育大会「愛顔つなぐえひめ国体」特集
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