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[MOM2283]尚志MF渡辺新史(3年)_値千金の勝ち越し弾。左サイドの“頭脳派”ドリブラーがチームを救う

ゲキサカ / 2017年11月5日 0時28分

左サイドのドリブラー尚志高MF渡辺新史の『機転』がチームを救う

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.4 選手権福島県予選決勝 尚志高 3-1 帝京安積高 西部サッカー場]

 左サイドのドリブラー尚志高MF渡辺新史の『機転』が、結果的にチームを救うことになった。「相手がウチの対策をしていることが良く分かった。だからこそ、対策されている右サイドより、左サイドがやるしかないと思った」。

 この試合、チームのストロングポイントだった右サイドが機能していなかった。いつもなら縦への突破力に秀でたMF長谷秀皐とチームの心臓であるMF加野赳瑠のコンビネーションが織り成す攻撃で、右からチャンスを作り出し、左の渡辺らがゴール前に入って仕事をする形が効力を発揮していた。しかし、この試合では長谷のプレーが精彩を欠き、セットプレーから先制弾を挙げた以外は、思うような形を作り出すことが出来なかった。

「立ち上がりから折り返しを狙おうと中に入っていたのですが、いまいち入ってこなかったし、相手の選手が中にたくさんいたので、自分がサイドを突破することで左からチャンスを作ろうと思った」。相手が守備的な戦い方をして来たため、中央がガッチリと固められている状況もあって、渡辺は途中から中に入らず、サイドに張ってボールを受けて仕掛ける形へとプレーを変えた。

 尚志は前半37分にセットプレーから先制するも、後半27分に同点ゴールを許す苦しい展開。だが、追いつかれてからは渡辺がワイドで受けて、左SB沼田皇海と息のあった連携で何度もドリブルで切れ込んでいくと、徐々に堅かった帝京安積の守備網に綻びが生まれて行った。

「僕が積極的に縦に仕掛けた結果、相手のサイドバックが自分を警戒して寄って来て、センターバックとの距離が広がってきたので、今度は逆に中が空くと思った」。相手の徹底した右サイドと中央のブロックが、渡辺が左から揺さぶったことで横に広がった。これにより、尚志の得意の形を引き出せる状況に持ち込んだのだ。あとはそのチャンスを待つだけだった。

 “その時”が来たのは後半30分だった。セットプレーの崩れから、右サイドでルーズボールを拾ったCB功刀舜也が切れ込んだ瞬間、「いつも練習で飛び込んでいたゴール前のスペースが完全に空いていたので、飛び込めばボールは来ると思った」。渡辺は猛然とゴール前にダイアゴナルラン。功刀から送り込まれた山なりのセンタリングをドンピシャヘッドであわせて、ゴールに突き刺した。

 値千金の勝ち越し弾。さらに勢いに乗った渡辺は後半39分にも左サイドをドリブルで突破し、ニアサイドでフリーになったMF石井龍平へ折り返す。石井のシュートは一度相手にブロックされるが、こぼれ球を再び石井が蹴り込んで、試合を決定付ける3点目。勝利を一気にたぐり寄せた。

「加野くんは昨年から出ていて、注目をされている存在。当然相手も加野くんがいる右を警戒して来る。だからこそ、僕がもっとやらないといけないんです」。全国でも間違いなくチームの右サイドは警戒されるだろう。しかし、そうなったときこそこの男が輝く時。尚志の強みは、“渡辺新史がいる左サイド”にもあることを忘れてはいけない。

(取材・文 安藤隆人)●【特設】高校選手権2017

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