“浦の分まで”10人が走り抜いた実践学園、DF尾前祥奈「足をつってもいいから」
ゲキサカ / 2017年11月13日 14時1分
[11.11 選手権東京都Bブロック予選決勝 國學院久我山高 0-1(延長) 実践学園高 駒沢]
まさに死闘だった。実践学園高は後半31分にMF浦寛人(3年)が一発レッドで退場。1人少ない状況で残り時間を戦うことになったが、ピッチ上の10人はその逆境で覚悟を決め、奮い立った。主将DF尾前祥奈(3年)は「“浦の分まで”とピッチの中でみんなが叫んでいた」と振り返る。
1人減ってからの勢いは圧巻だった。数的優位に立った久我山にボールを回され、サイドチェンジで揺さぶられたが、尾前やDF斎藤彰人(3年)ら守備陣が体を張って対応。気迫を持って攻め込む時間帯もあり、一人ひとりが献身的に走り、粘り強く戦い抜いた。
「命をかけてやっていたので。人生で最後の経験になるし、ここできついからって走らなかったら絶対に一生悔いが残る。だったら今、足をつってもいいから走って、後悔しないようにやろうというのはコーチングしていた。みんなが余計やってやろうという気持ちになっていたと思います」
ギアを上げた選手たちの奮闘を深町公一監督は「全員が1.1の力を出してくれて、10人で退場した浦の分まで走ってくれた」と称賛した。80分間では決着が付かず、スコアレスで延長戦に突入。限界まで走り抜いた選手たちは1人、2人と足をつり、最後は満身創痍。その走りが報われるように、終了間際の延長後半アディショナルタイムに劇的な決勝点が生まれ、10人で死闘を制した。
「試合が終わってすぐに泣いちゃいました。本当に実戦で良かったなと思いました」と尾前。関東大会、総体に続いて東京都の代表権を勝ち取り、東京都1部リーグ優勝チームは選手権予選で結果を出せないという“ジンクス”も破った。
東京都“4冠”と結果を残した一方で、総体は初戦敗戦。2回戦流通経済大柏高(千葉)戦に意識を傾けたことで足元をすくわれ、夏は苦渋を味わった。「インハイに負けたあとは自分もしんどくて、どうチームを持っていけばいいか分からなくなった」。キャプテンとしても葛藤があったが、一人ひとりと話し合いの場を設け、立て直しを図った。深町監督は「守備からもう一回作り直したことでもうワンランク上がってくれた」と、夏以降のチームの成長ぶりを指摘する。
選手権では総体の悔しさを晴らし、今度こそ自分たちの力を証明する。「ここからが本当の戦いになる」と気を引き締める尾前は「今までは指摘しあったり、言い合ったりするのがチームとして必要だったけど、もうそこのレベルではなく、どれだけプラスに持っていけるか。どれだけサッカーを楽しめるか」と力を込める。実践学園の最高成績は12年総体のベスト16。全国の舞台で最高の仲間たちとサッカーを楽しみ、新たな歴史をつくる。
(取材・文 佐藤亜希子)▼関連リンク
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