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[MOM2362]桐生一MF田中宏武(3年)_選手権予選決勝の悔しさも込めて…3年生MFが躍動!

ゲキサカ / 2017年12月24日 9時45分

左サイドの仕掛けで幾度もチャンスメークした桐生一高MF田中宏武

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.23 高円宮杯プリンスリーグ関東参入戦1回戦 実践学園高 0-1 桐生一高 埼玉第2G]

 悔やんでも悔やみきれないような1シーンがある。0-1で前橋育英高に敗れた選手権群馬予選決勝(11月23日)。「後半25分くらいで自分のところにビッグチャンスが来て、GKと1対1だったんですけれども外してしまった。自分で全部の責任を背負うつもりはないですけれども、あれが決まっていれば、スコアも、勝敗も分からなかった。自分が勝たせられなかったという後悔が残っている――」。

 桐生一高のMF田中宏武(3年)は後悔の念を抱いたまま、1か月トレーニングしてきた。群馬県1部リーグ2位の桐生一にプリンスリーグ関東参入戦出場の確約は無い。だが、12月17日のプレミアリーグ参入戦決勝戦で前橋育英が敗れ、群馬県1部優勝の前橋育英高Bに代わって出場チャンスが巡ってきたプリンスリーグ関東参入戦。「神頼みですけれども、(出場のチャンスが)あった時のために最高の準備をしようと考えていた」という田中宏が、思いの伝わるようなプレーでチームを引っ張った。

 前半から左タッチライン際に張って相手3バックの外側のスペースを強襲。ボールを受ければ1人で20~30mくらい前進するようなシーンが幾度もあった。そして決定的なクロスを連発。「自分のところは立ち上がりから少し警戒されていると思っていた。スペースを作ることでFWや自分の弟(MF田中渉)がそこに入ることを狙っていた」というMFは、味方のスペースを作る作業でも貢献しつつ、終盤は前線で身体を張ってボールを収め、押し込まれていたチームの拠り所になっていた。

 ゴールに絡むことはなかったが、それでも実践学園高の深町公一監督が「9番が効いていた」と振り返ったように、相手にとって嫌な存在に。「自分が勝たせたいという気持ちは自分でも一番あるという意識を持っていました」というゲーム主将・田中宏の献身的な守備もチームの勝因の一つだった。

 選手権予選の悔しさを強く持つ田中宏ら3年生7人が“引退”を先送りし、トレーニングしてきた。出場できるかどうか分からない試合のためにトレーニングし続けることは酷だったはず。だが、中村裕幸コーチは「(メンタル面が)タフネス。(学校では)僕が3年間担任しているんですけれども、(クラスでは)“右腕”でした」という田中宏はブレずに、最高の準備をしてきたことをこの日のプレーで証明した。

 選手権東京都予選決勝で実践学園に敗れた旧友・FW鵜生川治臣(國學院久我山高)との約束も果たす勝利であと1勝。弟の注目MF田中渉(2年)ら後輩たちにプリンスリーグ関東昇格をプレゼントできるか。勝っても、負けてもあと1試合。何としても勝って、選手権予選決勝の無念を少しでも晴らして、「有終の美」を飾る。

(取材・文 吉田太郎)●【特設】高校選手権2017

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