日本航空の3年生は“ラストゲーム”白星で飾れず。それでも「人間として成長できた」3年間に
ゲキサカ / 2017年12月25日 21時51分
[12.25 高円宮杯プリンスリーグ関東参入戦決勝戦 矢板中央高 2-0 日本航空高 埼玉第3G]
「自信を持って動かすことができなかった」。日本航空高(山梨)の仲田和正監督は後半に主導権を握って攻めながらも、惜敗した試合を残念がっていた。全国高校選手権に出場する矢板中央高(栃木)を警戒しすぎたか、受けに回った立ち上がりに失点。その後、ボールを握る時間を増やしたものの、前半は選手同士の距離間が悪く、縦パスを引っ掛けられてカウンターを受けるような展開が続いてしまう。
トラップが少しでも大きくなれば、矢板中央の選手は厳しく身体をぶつけてボールを奪い取っていた。それでも、「修正を図って後半ちょっと良くなった」(仲田監督)という後半、3バックの押し上げもあってショートパスがテンポよく繋がるようになった日本航空は、サイドからの崩しでチャンスを作り出す。
そして、MF中尾大我(3年)やMF遠藤拓人(3年)のシュートがゴールを脅かすシーンもあった。だが、相手のアプローチの速さに苦戦し、決定機で1タッチシュートを打つ判断ができなかったことなども影響してチャンスを逸してしまう。一方でDF吉江想(3年)らがボールへの執着心の強さを感じさせる守備を見せていた日本航空は相手の鋭いカウンターを身体を張って阻止していたが、前がかりになった終了間際に失点し、0-2で敗れた。
試合を通して気持ちの入ったプレーを見せていたDF飛田大輝主将(3年)は後輩たちにエール。「自分たちを越して欲しいという思いが強い。(現2年生の世代は)今年出ていた塚越(誠也)や中島偉吹がリーダーとしてやろうというのが今の段階でも見えて来ているし、全員の仲がいい。しっかりいい方向に行ったら、いいチームになっていくと思います」と期待した。
そして、自身が日本航空で学んだ3年間については「どこの高校行ってもないような3年間でしたし、本当に成長できたなと感じています。濃い3年だったし、今の1、2年生にはもっと大事にして欲しい。サッカーが上手くなるとかもあるけれど、(私生活含めて)人間として成長できたからこの舞台に来れたと思うし、人間として成長できたことが3年間やってきて感じたことです」と感謝。今年、関東大会予選と山梨県1部リーグを制したが、全国出場とプリンスリーグ昇格という目標を達成できなかった。悔いも残っているが、それでも3年生たちは3年間で身につけたことに誇りを持って、次のステージで新たな目標にチャレンジする。
(取材・文 吉田太郎)●【特設】高校選手権2017
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