「ライター川端暁彦の選手権優勝予想」データが物語る選手権で勝つことの難しさ。大阪桐蔭の初Vか
ゲキサカ / 2017年12月30日 7時0分
特集企画「ユース取材ライター陣が予想する『全国高校選手権優勝校』」
96回目の高校サッカー選手権がいよいよ始まる。96回くらい予想していたら、何度か当たる気はするのだが、それはもはや偶然というものだろう。仮にあらゆるチームに対して勝率7割になる強豪校があったとしても、それが1回戦からの6試合で6連勝する確率は11%ほどである。高校選手権の予想はこの5連勝なり6連勝なりをするチームを予測しようという無謀な試みなわけだ。
現代の選手権の傾向はデータを観るのが分かりやすい。直近の連覇は79回大会(00年度)と80回大会(01年度)を制した国見高(長崎)までさかのぼる必要がある。大久保嘉人や徳永悠平の時代だ。高校サッカーの潮目が変わった大会と言える、乾貴士を擁した野洲高(滋賀)が優勝した84回大会(05年度)以降で観てみると、連覇どころか同一優勝校もない。2年連続してファイナリストになった高校も92回大会と93回大会の星稜高(石川)だけとレアケース。現代の選手権で勝つのは、かくも難しい。
よって、前年度優勝の青森山田高(青森)と同準優勝の前橋育英高(群馬)のファイナル進出はないと観る。もちろん、前例は覆されるためにあるようなもので、この2校が大会最強クラスのチームであることに全く異論はない。だが、連続して結果を出すというのは言うほど簡単ではあるまい。
そして「同一優勝校がない」という視点も加味すると、流通経済大柏高(千葉)、広島皆実高(広島)、山梨学院高(山梨)、滝川二高(兵庫)、富山一高(富山)、星稜、そして東福岡高(福岡)というそうそうたる顔ぶれが脱落する。脱落させていいのかという疑問が膨らむチームばかりだが、データが言うのだから仕方ない。
よって、優勝は残る39校から出るということになる(本当か?)。最有力候補は大阪桐蔭高(大阪)ではなかろうか。9年ぶり2度目の出場で経験値のなさがネックにも思えるが、初出場初優勝を果たした山梨学院のような例もある。MF西矢健人主将を中心とした攻守にまとまった好チームだけに、可能性は十分にある。いわゆる“筆頭候補”の高校と別ブロックに入ったというのも経験の浅いチームにとってはポジティブな材料だろう。
昌平高(埼玉)の名前も挙げたい。MF山下勇希が軸となる完成度の高いポゼッションサッカーは、例年に増して過酷な連戦となる今年の選手権において「体力的な消耗を避ける」というポジティブなメリットになり得る。関東一高(東京)も似たような視点で推せるチームだろう。地元の地の利はもちろんあるし、昨年の経験は選手・スタッフの中に蓄積されている。戦力的に抜きん出ているわけではないが、チームとしてまとまっている。
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