星稜辛勝発進「小学生が起こすようなミス」…松山工は勝利届かず「近いようで遠い」
ゲキサカ / 2017年12月31日 22時44分
[12.31 全国高校選手権1回戦 星稜1-0松山工 ゼットエー]
第96回全国高校サッカー選手権1回戦が31日に行われ、ゼットエーオリプリスタジアムの第2試合では、星稜高(石川)が松山工高(愛媛)を1-0で下した。1月2日の2回戦では明秀日立高(石川)と対戦する。
2年ぶりの出場で初戦を突破した星稜だが、河崎護監督の評価は厳しかった。「緊張していましたね。選手は固かった。前半はミスが多かった。そのミスも小学生が起こすようなミス。落ち着いてくれと心の中で祈るだけでした」。前半はFKで相手にゴールに迫られる場面もあり冷や汗をかかされるシーンも。3年前に優勝に導いた名将といえど、初戦の難しさを感じていた。
「ハーフタイムに修正をかけた。サイドに展開しないといけない。前半は全く右が機能していなかった。ただ0-0だったので、慌てることなかった。やることを整理して出来たのかなと思います」
すると先制点は後半12分、指揮官が修正を加えた右サイドから生まれた。右サイドをドリブルで突破したMF岩岸宗志(2年)がクロスを上げると、ゴール前で待っていたMF西部悠大(2年)にボールが渡る。そして西部はボールコントロールからDFを外して、右足でゴールに蹴り込んだ。
この1点を守り抜いた星稜が2回戦に進出した。河崎監督も「勝つだけを目標にしていた。内容は二の次、三の次、四の次くらい」とまずは初戦突破に安堵の表情。だが優勝した3年前のチームをイメージしながらチーム作りをしてきたと説明するも、「自信がないんですかね」とどこか物足りない様子。日本代表MF本田圭佑を育てた名将も「今日も指示は『頑張れ、『走れ』、『詰めろ』、『声出せ』とかだけだった」と苦笑いを浮かべながら、首をかしげるしかなかった。
一方の松山工は、またも“勝利”が遠かった。2年前に同校としての初勝利を挙げているが、それはPK戦で得たもの。初戦敗退は出場6回目で5度目となった。坂本哲也監督は「(勝利は)近いようで遠いですね」とポツリ。指揮官は「ゴールも今日は遠かった。1-0のチーム作りをしてきたんですが…」と改めて全国大会の厳しさを痛感した様子。
ただプロ注目のGK伊藤元太(2年)やFW向井和哉(2年)が最終学年を迎える来季への期待も集まる。「経験値は付いたと思う」と自らに言い聞かすように話すと、「今の力では全国では通用しないと痛感したと思う。帰ってから彼たちが課題を改善していきたい」とリベンジに向け、意欲を語っていた。
(写真協力『高校サッカー年鑑』)
(取材・文 児玉幸洋)
●【特設】高校選手権2017
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