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[MOM2404]日本文理GK相澤ピーター・コアミ(2年)_「えっ俺!?」…GKとなって1年の守護神、決めて止めての大奮闘

ゲキサカ / 2018年1月4日 3時50分

日本文理高(新潟)GK相澤ピーター・コアミ(2年)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.3 全国高校選手権3回戦 作陽高1-1(PK6-7)日本文理高 浦和駒場]

 本格的にGKに取り組み始めて約1年。高校総体では登録メンバーに選ばれなかった。しかし、それから約半年、日本文理高(新潟)GK相澤ピーター・コアミ(2年)は、選手権初出場を果たしたチームのゴールマウスを託され、ベスト8進出の原動力となった。

 前半26分にFW亀山来駆(3年)の得点で先制した日本文理だったが、同32分にMF黒瀬翔矢(3年)に同点ゴールを許してしまう。後半に入ると作陽に押し込まれる時間帯が長くなったものの、「ディフェンスの先輩の貢献が大きく、自分が何かしたわけではないけど、チームとして1失点で耐えられた」と粘り強い対応で勝ち越しゴールを許さず。勝負の行方はPK戦に委ねられることになった。

 ここで、輝いたのが相澤だった。PK戦を迎える前には「緊張していた」ようだが、中村和哉コーチに『ここで止めたらヒーローだぞ』と言葉を掛けられ、「笑っていないと力が抜けないので、笑っていようと思った」と笑顔を作ると肩の力が抜けた。

 迎えたPK戦。1本目で左側に飛んでいた相澤は、その後は「右利きが多かったので、右に来るかなと思って」と一貫して右に狙いを定めて飛び続ける。そして、作陽5人目MF中西樹大(3年)が決めれば、日本文理の3回戦敗退が決まる絶体絶命の危機という場面で、その読みが的中する。「今度こそ右に来ると思って左に体重をかけていた」と相手と駆け引きすると、右側に放たれたシュートを見事に弾き出した。

 絶体絶命の危機を救った守護神は、今度はキッカーとして魅せる。駒沢隆一監督は「PKの順番は用意していた」ようだが、相澤には伝わっておらず。7人目のキッカーを告げられたときは「えっ!? 今、俺が蹴るの!? みたいな感じ。自分が蹴るとは思ってなかったので、すごく緊張した」ものの、左足の強烈なシュートをネットに突き刺すと、作陽8人目DF羽田一平(2年)のシュートを再び“右”に飛んでストップしてチームをベスト8進出へと導いた。

 ガーナ人の父を持つ相澤は、小学1年からサッカーを始め、小学6年、中学2年のときにGK練習に参加していた時期はあったが、あくまで本職はFW。日本文理入学後も「FWで、サイズがあって面白い選手だと思ったし、試合でも起用して点も取っていた」(駒沢監督)。しかし、190センチの長身を誇る相澤の新たな可能性を、指揮官を含むスタッフは感じ取り、「将来プロに進むことを考えると、GKは選手寿命も長い。彼はサイズが魅力的で可能性もあるので、『GKとしてどうだろうか?』とスタッフが声をかけた」(駒沢監督)。

 相澤自身は昨年度の高校選手権開幕戦で、途中出場ながらもビッグセーブを披露してチームを勝利に導いた関東一高GK北村海チディのプレーを見て、「GKで試合が決まった感じで、自分もああいうふうになりたいと思った」とGKに転向することを決断。高校総体時にはメンバーにも入っていなかったが、メキメキと頭角を現すと、選手権の新潟予選からレギュラーを託されている。

 GKに転向して約1年。指揮官は「もっと安定感のあるプレーを」と注文をつけながらも、「手足が長いし、相手に与えるプレッシャーがかなりある。まだまだ成長できる」と伸びしろに期待を寄せる。成長途上の守護神は、「まだ試合は続く。3年生やお世話になった方に恩返しできるように、次も勝ち切りたい」と今大会で一つひとつ階段を上がり、自身の成長につなげようとしている。

(取材・文 折戸岳彦)
●【特設】高校選手権2017

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