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『SEVENDAYS FOOTBALLDAY』:恩師(V・ファーレン長崎・高杉亮太)

ゲキサカ / 2018年2月28日 14時42分

34歳にしてJ1デビューを果たしたV・ファーレン長崎DF高杉亮太

東京のユースサッカーの魅力、注目ポイントや国内外サッカーのトピックなどを紹介するコラム、「SEVENDAYS FOOTBALLDAY」

「たぶん誰も僕がJ1のピッチに立つなんて思っていなかったと思いますし、僕も狙ってはいたんですけど、『長崎で無理だったらもうないな』と思っていました。そのぐらいの、確率的に言ったら小さなものでしたけど、しっかりその小さな確率をモノにできたのは、やっぱり周りの人のおかげだったと思います」。2018年2月24日。J1リーグ開幕戦。34歳にしてとうとう日本最高峰のステージへ辿り着いた高杉亮太は、そう周囲への感謝を口にする。そして、スタンドからはそんな彼の昔を知る1人の“恩師”が、静かにピッチを見つめていた。

 地元出身の高木琢也監督に率いられ、Jリーグ加盟6年目にして、トップディビジョンへの挑戦権を得たV・ファーレン長崎。迎えた開幕戦のメンバーリストには、一部の選手を除いてJ1出場試合の数字に“ゼロ”が並ぶ。その中の1人であり、やはり33歳でJ1デビューを手繰り寄せた前田悠佑が「相手が湘南ということもあって、何度か去年もやっていたので、『J1だ!』という感じはあまりなかったんですけど、雰囲気は違ったので、そういう部分では『やっぱりJ2と違うのかな』という感じは受けました」と話した一戦。だが、前田同様にJ1での“1試合目”に臨む高杉は、選手入場に際してあることが気になっていた。

「今日の手を繋いでいた子がちっちゃい子だったので、『ゆっくり歩かなきゃ』という気持ちの方が強くて、あまり感慨に浸れなかったです(笑)」。確かにグラウンドへと歩みを進める湘南ベルマーレと長崎の列は、後者が明らかに遅れていた。「後ろに申し訳ないなと思ってました」という言葉に性格が滲む。エスコートキッズの“エスコート”を無事に果たし、キャプテンとしてコイントスを終え、いよいよクラブと自身の“1試合目”が幕を明ける。
 
 失点を許したのは前半8分。左サイドを松田天馬の突破で破られ、イ・ジョンヒョプにシュートを打たれる。軌道は「あそこまでえぐられちゃうと難しい部分もあって、ボールを見ちゃったというのが全体的にあった」という高杉の伸ばした足に当たり、ゴールネットへ吸い込まれた。「もっと厳しく行けば何の問題もない所を、軽くいなされて」の先制点。早々にビハインドを追い掛ける展開となる。

 前半15分。長崎にフリーキックのチャンスが到来する。左サイドでスポットに立った前田は、ピンポイントのキックをファーサイドへ。ここにフリーで飛び込んだのは高杉。「かなり用意していたものがうまくハマった」形からのヘディングは、しかし相手のGKに弾き出される。それでも、「『あっ、やっちゃった!』と思ったら、大地がいたので良かったです」とキャプテンが振り返った通り、こぼれを田上大地がきっちりプッシュ。スコアは振り出しに引き戻された。

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