[MOM2467]市立船橋DF畑大雅(2年)_わかっていても止められない! 2点に絡んだ快足SB
ゲキサカ / 2018年4月9日 19時30分
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[4.8 高円宮杯プレミアEAST第1節 市立船橋高2-0富山一高 味スタ西]
ジョーカー起用の2年生サイドバックが堅牢な富山一高ディフェンスをナイフのように切り裂いた。後半開始からピッチに立った市立船橋高DF畑大雅(2年)は、中へ外へと右サイドを何度も突破。コーナーキック獲得から待望の先制点を導くと、終盤には鋭いクロスで追加点をアシストした。
起用に踏み切った朝岡隆蔵監督が「いやー、バケモノですね」と振り返ったように、ルーキーイヤーの昨季から出場機会を得ていた2年生DFは、開幕戦から個性を爆発させていた。『分かっていても止められない」』とはドリブラーを指す定型句だが、たった2~3歩で相手を抜き去る抜群のスピードはまさにそんな印象を抱かせた。
最初のチャンスは後半2分。相手DFと正対する形でボールを受けた背番号2は、迷わず前へしかける。クロスの足が合わずに追い付かれたがCKを獲得。さらに同9分、再び縦へのドリブル突破を試みると、今度はクロスを上げるには至ったが、ボールは相手GKにキャッチされた。
その後は中へのパスも見せつつ、迎えた後半23分。自身のドリブルは防がれ、ボールはゴールラインを越えてしまったが、その右CKから先制点が入る。MF大関克弥(3年)が左足で蹴り込むと、DF岸本駿朔(3年)とFW西堂久俊(3年)が頭でつなぎ、ゴール前のDF田谷澪斗(3年)がプッシュ。市立船橋がようやく均衡を破った。
その後は「相手が疲れてきたのもあって個性を出せた」と、右サイドは畑の独壇場となった。主に目立っていたのは縦の意識を見せながらのパス。後半26分、中央のMF井上伶(3年)に斜めのボールを送り、惜しいシュートを誘発。同33分には再び中へのパスからMF岡井駿典(3年)のミドルを呼び込んだ。
すると後半38分、ついに目に見える“結果”が訪れる。それまで中への意識を見せていたことで、対応が遅れた相手DFを一気に抜き去ると、ゴール前にグラウンダークロスを配球。ニアサイドでFW鈴木唯人(2年)がワンタッチでゴールを陥れ、最後にアシストが付いた。
試合後、照れ笑いを浮かべつつ「今日は調子が良かった」と振り返った畑。これまで「いったん止まってから一瞬で縦に行ったり、相手のスピードを見ながら逆を取ったり、そこの切り替え」は課題だと認識していたというが、この試合では結果につなげてみせ、「良い形で開幕できた」と喜んだ。
現在はサイドを切り裂く役目を与えられている畑だが、Az'86東京青梅で過ごした中学時代は「ドリブルよりパスが多くて、そんなにしかける意識はなかった」という。ただ、市立船橋に来てから「あまり意識せず、もともとできた」というタッチライン沿いの突破センスが本格的に開花。サイドバックのポジションには「意外とうまくやれている」と手応えを感じているようだ。
昨季は「一番下で緊張していたことも多く、先輩に引っ張ってもらっていた」というが、2年生となった今季は「自分がチームを勝たせられるように引っ張る側になりたい」と新たな決意も。「開幕戦で勝てたので、このままチャンピオンを狙って行きたい」と意気込んだ。
(取材・文 竹内達也)●2018高円宮杯プレミアリーグWEST特集
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