[関東大会予選]新人戦の悔しさバネに、大宮南が初戦突破!:埼玉
ゲキサカ / 2018年4月14日 22時52分
[4.14 関東高校大会埼玉県予選1回戦 熊谷高 0-1 大宮南高 埼工大G]
14日、平成30年度関東高校サッカー大会埼玉県予選1回戦が行われ、大宮南高がMF松山幸輔(3年)の決勝ゴールによって熊谷高に1-0で勝った。大宮南は15日の2回戦で立教新座高と戦う。
自分たちの得意とするグラウンダー勝負のスタイルを十分に発揮することはできなかった。だが、前半開始早々に挙げた1点を守りながら、試合をコントロールした大宮南が2年ぶりとなる関東大会予選初戦突破だ。
前半4分、大宮南はチームの突破口であるMF澤野秋翔(2年)が左サイドを抜け出す。その折り返しをボランチの位置から走り込んでいた松山が左足シュート。GKが弾いたボールがゴールラインを越えて先制点となった。
アドバンテージを得た大宮南はその後もボールを保持すると、ハイサイドまでボールを運んでセットプレーを獲得。左SB渋谷龍生(3年)のプレースキックなどから相手ゴールを脅かす。だが、序盤を過ぎると熊谷のスピードあるサイド攻撃が効果を発揮。MF内田太陽(3年)の推進力ある動きが印象的だった熊谷は11分、17分と10番FW佐藤遼平(3年)のアーリークロス、ラストパスがPAに入り、決定機を迎える。
熊谷は後半立ち上がりも佐藤の決定的なクロスがゴール前を横切り、MF久米陸斗(3年)がミドルシュートを打ち込むシーンがあった。だが、大宮南はCB大和田蓮斗(2年)がカバーして決定機を阻止していたほか、MF神野由磨主将(3年)や松山がPAまで戻ってボールを足に当て、GK長田裕馬(3年)、CB岡田和樹(3年)が的確にシュートコースを塞ぐなど守備意識高く1点リードを守り続ける。
大宮南は後方からのビルドアップを熊谷のハイプレスに引っ掛けられそうになったシーンがあり、攻撃に関しては本来の相手をいなすパスワークよりもロングボールが増えてしまっていた。それでも、ルーキーながら順天堂大で開幕スタメンのMF長倉幹樹(浦和ユース、大宮南高出身)の弟、MF長倉拓摩(2年)を後半開始から投入。田中龍太郎監督が「まだ精度に欠けているけれど、モノは持っている」と評するMFが加わったことで落ち着いた攻撃ができるようになった。
後半11分に松山があわやの右足ミドルを放ったほか、神野やMF見目大輔(2年)がドリブルで中盤を突破。反撃する熊谷から神野や松山が高い位置でボールを奪い、サイドのオープンスペースを活用した攻撃を繰り返して相手を後退させていた。終盤に再び盛り返した熊谷に決定的なシュートを浴びたものの、最後までハードワークを徹底し、時間を上手く使った大宮南が1-0で勝利。2回戦へ駒を進めた。
大宮南の田中監督は昨年の日本高校選抜チームスタッフ。「蹴り合いのようになってしまった。もうちょっと落ち着いてやれれば」と苦笑していたが、それでも「昨年はみんな3年生。(経験が少ない中で)1個勝ったのは大きい」と目を細める。2年前は夏冬県8強入りしている実力派も今年の新人戦では地区予選敗退。それだけに神野は「新人戦で本当に自分たちは情けない負け方をした。去年の先輩もここで負けていたので勝とうと。そういう意味では勝てて良かった」と各選手が気合十分で臨んだ試合での勝利を喜んでいた。
ただし、目標は1勝ではない。神野は今年の目標について「去年の先輩たちがS1(埼玉県1部リーグ)を残してくれたので、S1残留とトーナメントでは上位に行くこと。この大会も関東大会に出ることを目標に頑張りたい」。次は自分たちが積み重ねてきたものをより表現して、白星を勝ち取る。
(取材・文 吉田太郎)
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